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高周波熱凝固法、 パルス高周波法とは

神経痛などの耐え難い痛みを和らげる治療が広がっています。平成18年4月より、痛みを伝える神経を熱で固める「高周波熱凝固法」が新たに保険適用されました。「神経ブロック療法」と呼ばれる治療の一つですが、薬剤を用いる従来の方法と異なり、目的の場所以外に薬が流れて副作用を起こす恐れが少なく、ピンポイントで目的の神経を狙いやすい利点があります。

体のさまざまな場所で受けた「痛み」の刺激は、信号となって感覚神経を伝わり、脳で認識されて痛みを感じます。痛みは本来、原因となる場所を治療するのが望ましいのですが、原因が正確に分からない一部の神経痛や、進行したがんなど完治が困難な場合もあります。そんな時、「痛みの信号」を伝える感覚神経の働きを抑えるのが神経ブロック療法です。

高周波熱凝固法

高周波熱凝固法は、その中でも、高周波電流による熱により、神経の中にあるたんぱく質を固める方法です。従来、麻酔薬などで化学的に神経の働きを鈍らせていたのと異なり、「痛みの信号の“通り道”に、物理的に障壁を作るようなものです。

顔面に激痛が走る「三叉神経痛」や、首や腰の背骨から来る痛み、がんによる痛みなどが治療の対象になります。

局所麻酔薬では効果が長続きしないのに対し、高周波熱凝固法は効果を持続させる「神経破壊法」の一つです。「神経破壊」と言うと何やら怖そうですが、実際には、ある程度知覚を残すよう加減する神経遮断の治療であり、遮断された神経も通常、数か月から数年で再生します。

治療は、エックス線検査のテレビ画面を見ながら行い、痛みが伝わる神経に針を刺し、先端から高周波電流を流します。熱は40度から95度まで調節でき、温度と加熱時間で、神経遮断の程度を加減できます。まず低電流を流し、狙った神経に当たっているか、他の神経に影響していないかどうかを確認したうえ、加熱します。通電の時間は数十秒から数分行います。

局所麻酔薬で一時的に神経機能をまひさせる一般的な神経ブロックと違い、この方法では、遮断された神経が再生するまで効果が保たれます。その期間は、個人差もありますが、三叉神経痛で平均2年2か月、背骨の関節の痛みでは1年程度です。

三叉神経痛のため、5年前にこの治療を受けた東京都の男性(82歳)の方は、再び痛みが強まり、先月に再治療を受けました。「顔の右半分が痛み、食事も洗顔もできないほどでしたたが、治まり、食事を久しぶりに痛くなく食べられました。」と笑顔で話していました。

神経破壊にはアルコールなどの薬剤を用いる方法もありますが、液体は思わぬ所に流れ、痛みに関係ない神経までまひさせる恐れがあります。高周波熱凝固はそうした恐れが少ないです。ただ、副作用がないわけではなく、三叉神経痛の場合、頬などにしびれが残ることもあります。

治療は30分程度で済みますが、治療後の様子をみるために1泊入院します。神経遮断が短時間で回復するわけではないので、腕や足の筋肉の動きをつかさどる運動神経には原則として熱凝固を行いませんが、次に述べるパルス高周波法は、運動神経に影響を与えずに痛みをなくします。

パルス高周波法

高周波熱凝固法で行っている神経に対しても、シビレなどを避けたい方は、パルス高周波法で組織変性のない方法も選択可能です。また、熱凝固を一般的に行っていない四肢などの神経にもパルスRF 法は可能で、しびれなども生じません。

パルス法は、パルス状に高周波をかけることで、高電圧をかけながら、針先端を42℃以下に保ち、熱による神経の損傷がありません。この方法が、神経が障害されたような痛みに対して、長期にわたる疼痛軽減効果があるとする報告があります。

また、パルス法はブロック後の神経へのダメージなどの不快感がなく、四肢の神経に対して施行可能です。

電流の出力波形は間欠的に流れて、高周波20mSec出力し、480mSec電流を休止します。

そのため、常42℃以下に自動設定されていて、神経が傷害されません。

タイマー設定は60,90,120,180秒ですが、だいたい180秒行われます。

この治療の適応としては、脳神経では非定型顔面痛などであり、四肢の神経では神経根などに対して行われますが、高周波熱凝固法で行われるすべての疾患に行うことができます。

この方法は高周波による効果は温熱のみだけでなく電極周囲の神経が電磁波に露出され,電流がオンのサイクル時に加熱と電磁波が生じ、オフ時に熱が低下します。この加熱と電磁波の断続的な繰り返しにより神経伝導に影響を与えていると考えられています。

また、神経に電流が流れたり、筋の規則的なけいれんも生じるので低周波鍼鎮痛法のように抑制系にも作用している可能性があります。

パルス高周波法は神経を障害されている病気に効果をみます。

パルス高周波法は神経障害を伴わず、術後の患者の不快感がありませんので、ご希望の方は申し出てください。

ただし、針が神経に当たるときは痛みを伴います。