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頭や顔が痛む患者さんへ

頭痛や顔面痛の見分けかた

頭痛は病院に訪れる患者さんの多くが訴える症状の1つです。皆さんのなかで頭痛を1度も経験しなかったという方はおそらく1人もいらっしゃらないでしょう。頭痛を大きくふたつに分けると、急に痛みだした『急性頭痛』と何年も変りなく痛む『慢性頭痛』とがあります。ほとんどの急性頭痛は一時的で自然と、あるいは2、3回鎮痛薬を使用しただけで治ってしまいます。しかし、なかにはすぐ適切な治療を受けないと手遅れになったり、重大な合併症を残してしまう頭痛もあります。ペインクリニック科には、平成19年末までに、頭痛と顔面痛の患者さんが5,774名来院されました。そこで、ここではまず救急処置を必要とする急性頭痛の見分け方を簡単に説明して、その後にペインクリニック科での治療の対象となる頭痛を説明します。

急性頭痛

もし強い頭痛が突然、何の理由もなく始まって、しだいに強くなり、24時間以上続く場合は、脳外科の救急処置を必要とすることもありますので充分注意しなければなりません。また意識障害や高熱を伴ったり、視力障害や吐き気がでてきたときも、すぐ脳外科に見てもらう必要があります。以前から高血圧や肺の病気や心臓病などの全身の病気を持つ方や、数週間から数カ月前に頭部の打撲をうけた記憶がある場合も、やはり脳外科を受診してください。何年も前から頭痛があっても最近、急に悪くなって、どんどん進行してくるときも注意を要します。

当科に受診した方でも、必要があれば緊急のCTやMRIなどの検査を行い、緊急を要する疾患かどうかをみます。異常な所見が見つかった場合は、適切な他科に紹介します。異常なければ、ペインクリニック科で治療します。

慢性頭痛

この頭痛は以前から何年もの間,頭痛が出たり止ったりして、季節によって楽なときと痛むときがあり、急にあるいはどんどん悪くなる様子がない慢性の経過をたどる頭痛です。代表的なものには神経痛や片頭痛、緊張型頭痛があります。神経痛については別に項をもうけましたので、ここでは片頭痛とその仲間の血管性頭痛および筋緊張型頭痛を中心に説明します。

頭痛の診断

頭痛の原因を確めるためにCTやMRI撮影、または頭部,顔面のレントゲン写真がとられます。またウイルス感染やその他の原因を探るため、血液検査なども行います。慢性頭痛では稀ですが急性頭痛では、頭の中の病気のため頭痛がおきていることがあるからです。

A.血管性頭痛
片頭痛にはいわゆる頭痛もちといわれる方々の普通型片頭痛のほかに、古典型片頭痛、群発頭痛などがあります。これらを合せて血管性頭痛と称します。そして治療法もほとんど共通しています。痛みの程度は様々ですが、非常に強い場合は、他のお医者さんで三叉神経痛と診断されることがあります。
『普通型片頭痛』
この頭痛は、10から20歳代の女性に多く発症します。頭痛は早朝起床時におこりやすく、2、3時間から数日続きます。このような「頭痛の発作」が普通は1週間から1カ月に1回の割合で出てきます。頭痛は片方のこめかみや眼がズキズキ痛みだし、しだいに頭全体にひろがり、頭が割れそうな痛みに変ってきます。吐き気がある場合は吐いてしまった方が楽になります。頭痛が治まってくると非常に眠くなることもあります。
『古典型片頭痛』
頭痛が始まる前または始まると同時に、特殊な眼の症状がある片頭痛の一種です。今まで読んでいた本の字がかすんだり部分的に見えなくなったり、キラキラして蚊かガラスの切り口のようなものが見えたりします。
『群発頭痛』
これはかなり珍しい病気で、20から40歳台の男性に多いとされています。頭痛の中でも最も痛みの程度の高いもののひとつです。あまりの痛みに自殺を考える患者さんもいると聞きます。また脳腫瘍や脳出血を心配する患者さんもいますが、この病気が命とりになることはありません。後の項で詳しく群発頭痛について説明します。群発頭痛の発作は非常に特異的です。典型的な例では発作は毎日ほぼ同時刻に始まります。夜中から朝方にかけて、とくに眠ってから2時間位で起きます。15分から 2時間位でおさまり、1日1回が普通です。発作がでている期間を群発期と呼び、これは大体 2〜4週間、時には数カ月続きます。群発期は普通1年に1回ですが、数年に1回という方もいます。この時期を過ぎると自然に頭痛が出なくなります。群発頭痛はこの様な、はっきりした周期性をもっています。群発頭痛の痛みは片側の眼・こめかみ・側頭部・後頭部に多く、同時に涙や鼻水が出たり、眼が充血します。群発期にアルコールを飲むと発作が誘発されるのも、この病気の特徴です。

【頭痛・顔面痛の見分け方】

頭痛・顔面痛の見分け方

血管性頭痛の治療とは

1.薬物療法

片頭痛や群発頭痛にはトリプタン製剤、ロメリジン、インダシンのような薬が使われます。トリプタン製剤は痛みが起こった直後に内服します。これらの薬物はすべての患者さんに効くわけではありません。またときに吐き気やめまい、手足の先がつめたくなったり、しびれたりすることもありますが、服用を止めればすぐに回復します。ロメリジンは発作期間中毎日服用して発作の回数を減らします。インダシンは鎮痛薬で、長期服用すると胃腸障害を起こしますので注意を要します。

2.神経ブロック療法

神経ブロックとは、神経の道筋のいずれかの部分に局所麻酔薬を注射して、神経の働きを一時的に止めて痛みを感じなくさせたり、血管を拡げて血行を良くする方法です。慢性頭痛に使われる神経ブロック法は星状神経節ブロックと言います。これは過敏な状態にある自律神経の1種である交感神経の興奮を押えて正常な状態にもどす働きをします。このブロックに使用する局所麻酔薬は、歯医者さんで使われる局所麻酔薬とほぼ同じものです。星状神経節ブロックは、子供やお年寄りでも妊娠している方でも安心して受けられる治療法です。何回もくり返して行うことができ、外来通院で受けられます。しかし、この治療法も残念ながらすべての患者さんに等しく効果的というわけではありません。薬を併用したり、他の治療法を考えたりしなければならない場合もあります。今のところ慢性頭痛には、決定的な治療法や特効薬はないのです。ただ慢性頭痛は致命的な病気ではなく、ある年齢に達すれば、自然と消失する事を心に止めておいてください。近い将来必ず良い治療法が見つかるでしょう。

B.緊張型頭痛とは

最近は緊張型頭痛という名称が一般的になりつつあります。20歳以上に多く,両側のこめかみ、後頭部、首筋、肩などの、しめつけられるような持続痛です。疲労やストレスが続くとよけい悪化します。朝は比較的楽ですが、午後になるとだんだん強くなり、夕方には吐き気がするほど強い痛みになります。この頭痛は後頭部の筋肉の持続的な緊張状態からおこってくる頭痛です。ですから始めのうちは休めば自然と治りますが、しだいに1日中続くようになります。治療は神経ブロック療法が効果的です。星状神経節ブロックを中心に痛い部位への局所浸潤ブロックやその他のブロック療法を組み合せて使います。気分的に滅入ってしまう方には精神安定薬や軽い抗うつ薬などを用いることもあります。いずれにせよ、何年も前からの頭痛がすぐには治ることは少ないため、あまりあせらずに、治療に加えて日常生活をなるべくストレスのかからないように工夫し、気長に治してゆく姿勢が大切です。

しめつけられるような頭痛、緊張型頭痛。 しめつけられるような頭痛、緊張型頭痛。

C.その他の頭痛・顔面痛とは

抜歯をしたり、外傷を受けた後にジリジリする痛みが長く続く場合があります。カウザルギーという病気です。発病してからすぐに神経ブロックによる治療をうければ治ること多いのですが、半年以上たってしまうと治療は難しくなります。ものを噛むと顎の関節付近から口唇にかけてビリッとした強い痛みが出ることがあり、これらの中には顎関節症があります。これも早いうちに歯科の治療と神経ブロック療法を受ければ早期に改善します。その他にも多くの種類の頭痛や顔面痛があり、それぞれに効果的な治療法があります。診療を受けるうえで大切なことは、あらかじめ御自身の症状をまとめておき、できるだけ要点を詳しくお話しいただくことです。痛みはいつ始まったか、どんな痛みか、どこが痛むのか、1回の発作はどの位続くのか、何かをしたときに強く痛むのか、他の症状を伴っているか、……また、今までどんな病院にかかって、どんな治療を受け、結果はどうだったか、などです。

肩こりや緊張型頭痛・・・ 肩こりや緊張型頭痛・・・
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現代社会はストレス社会、交感神経緊張ばかり休む間もないと・・。 現代社会はストレス社会、交感神経緊張ばかり休む間もないと・・。