関東病院


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耳鼻咽喉科・頭頸部外科

扱う疾患および特色

耳鼻咽喉科・頭頸部外科で担当する疾患

  • 耳の病気・・・難聴、中耳炎、めまいなど
  • 鼻の病気・・・慢性副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など
  • 咽頭・喉頭(のど)の病気・・・扁桃炎、声帯ポリープなど
  • 頭頚部腫瘍(良性、悪性)
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 顔面神経麻痺

など多岐にわたります。

当科の特徴は、

  1. 手術件数が多いことです。手術の必要なケースでは、他の病院から当院への紹介を受ける場合も数多くあります。
  2. 頭頸部の悪性腫瘍の治療においてはEBM(Evidence Based Medicine、根拠に基づいた医療)を根幹に据え、低侵襲で機能を温存する治療に積極的に取り組んでいます。
  3. EBMの推進や、クリニカルパス(入院治療の標準経過を表のようにまとめたもの)を導入することにより、不要な検査や投薬を省き、各疾患において標準的かつ合理的な治療が可能になります。
  4. 入院期間の短縮をめざしています。
    特に鼻・副鼻腔手術や声帯ポリープの手術などでは最短2泊で退院できます。(全身麻酔での手術は手術前日の入院で土曜・日曜の入退院も可能です)。
    頭頚部の良性腫瘍も多くの場合4泊程度で退院が可能です。また、疾患によっては局所麻酔での手術も行っており、この場合には日帰り手術も受け付けています。
  5. セカンドオピニオンについても積極的に対応しております。紹介状・検査結果などをお持ちの上、受診してください。

代表的な疾患

耳鼻咽喉科・頭頸部外科で扱っている疾患の概要を紹介します。

  1. 頭頚部腫瘍
  2. 慢性副鼻腔炎聴
  3. 扁桃炎
  4. アレルギー性鼻炎
  5. 声帯の疾患
  6. 中耳炎と難聴
  7. めまい

1.頭頚部腫瘍

(1)良性腫瘍

良性腫瘍の場合、大きくなる傾向や、悪性化する恐れがある、外見上問題となる、などの場合に手術で摘出します。当院では画像検査や穿刺細胞診(注射用の針で刺して、細胞を採取して行う検査)を行い、手術前により正確な診断を行った上で手術を施行しています。
耳下腺、顎下腺、甲状腺の腺腫はもちろんのこと、口腔・咽頭や鼻腔の乳頭腫、その他、頭頸部領域の血管腫・脂肪腫・神経鞘腫・血管線維腫などなど多岐にわたる疾患が治療の対象となります。

(2)悪性腫瘍 (頭頸部癌)

頭頸部がんとは、喉頭がん、咽頭がん、鼻副鼻腔がん、口腔がん、唾液腺がん、甲状腺がん などの総称です。 頭頸部領域は発声、嚥下、呼吸など生活するうえできわめて重要な機能を司る部位であり、また治療の結果が整容面(見た目)に反映される部位でもあります。
いずれも早期に発見できれば、(1)病気を治すこと と (2)声や摂食などの機能を残すこと を両立させる治療が可能です。また整容面においても損傷を最小限に食い止めることが可能です。一方、進行がんで見つかった場合には @病気を治すこと を最優先せざるを得ないため機能の温存が困難になります。
したがって早期に病変を見つけることがきわめて重要な課題です。当院では、ドック検診に頭頸部がん検診を選択できるシステムを採用し、また地域の喉頭がん検診とも連携をとって早期がんの発見に力を入れています。声がかすれる、飲み込む時に痛い、首が腫れた、固形物が通りにくい、ものが二重に見えるなどの症状が有りましたら、早目の受診をお勧めします。

頭頸部がん治療の大きな柱は (1)手術 と (2)放射線療法(+化学療法) です。

当院では比較的早期の喉頭がん・中咽頭がん・下咽頭がんに対しては適応を見極めたうえで積極的に経口的腫瘍摘出術(Trans-oral Surgery)を導入しています。これは特殊な内視鏡システムを用いることで、従来は外切開が必要であった病変でも口腔内から切除するものです。原則として二期的に頸部郭清術(頸のリンパ節の掃除)を追加し、これらの病理組織学的な検査結果に基づいて、放射線や化学療法などの術後治療の必要性を検討します。見た目や画像検査だけでは個々のがんの悪性度を判定しきれないことが知られており、このように明確なエヴィデンスに基づいて治療を進めてゆくことにより、腫瘍の悪性度や進展度に応じた治療のオーダーメイド化が可能になります。また遊離組織移植を含む大きな手術 または放射線化学併用療法のような侵襲の大きな治療をできるだけ回避することがこの治療の大きな目的でもあります。
もちろん症例によっては最初から遊離組織移植を含む手術や放射線化学併用療法を行うこともあります。
喉頭がんの進行例や放射線療法後の再発に対しては、従来喉頭全摘術の適応とされていた症例に対しても、経口的腫瘍摘出術や喉頭垂直部分切除・輪状軟骨上喉頭部分切除術などを症例に応じて選択し、可能な限り声を残すことに取り組んでいます。

2.慢性副鼻腔炎

鼻腔の周囲には、上顎洞、篩骨洞、前頭洞、蝶形骨洞という4つの副鼻腔があります。これは骨の中に発達した薄い粘膜に覆われた空洞です。この副鼻腔に感染を生じ、粘膜がはれて膿が溜まった状態が副鼻腔炎です。副鼻腔炎は風邪などに合併して一過性に起こる急性副鼻腔炎と、長期に炎症が持続する慢性副鼻腔炎に分かれます。一般に急性副鼻腔炎は投薬などで完治しますが、慢性副鼻腔炎(いわゆる蓄膿症)では、鼻がつまる、色のついた粘っこい鼻水がでる、においが分からない、頭痛がひどいなどの症状が持続します。軽症例ではマクロライドという抗生物質の少量長期投与が有効なことが多く、まずはこの治療を行いますが、 この治療でも改善しない場合や中等症以上の場合には手術をお勧めしています。手術はほとんどの場合内視鏡下鼻内副鼻腔手術(ESS)が適応となり、当院では毎年100件程度の手術を行っています。

この手術の利点は

  • 1.両側同時に行える
  • 2.入院が短期間ですむ
  • 3.頬部のしびれや歯が浮いた感じなどの術後の合併症は起こりません。また術後の痛みや顔の腫れもほとんどありません。

ハイビジョン方式の内視鏡システムの導入により非常に良好な鼻内の視野が得られ手術の安全性に役立っていますが、当科ではさらに安全性を高めるために基本的にすべての内視鏡下鼻副鼻腔手術にナビゲーションシステムを導入しています。このシステムにより現在手術している部位を術前に撮ったCT上で正確に知ることができますので、手術がより正確に、より安全に行うことができます。

3. 扁桃炎

扁桃腺(口蓋扁桃)とはノドの左右にある梅干のような形をしたもので、一般に10歳前後までは大きいのですが、その後は徐々に縮小していきます。扁桃に細菌が感染し、38度を超える発熱と強いノドの痛みを起こす急性扁桃炎は抗生物質で治療します。痛みで水も飲めないほど重症の場合は入院して点滴治療となることもあります。口蓋扁桃摘出術の適応となるのは習慣性扁桃炎(一般に年3回以上急性扁桃炎を反復する場合)や、口蓋扁桃が大きく肥大していることによりいびき・睡眠時無呼吸の原因となっている場合などです。また扁桃炎が原因で体のほかの場所に問題を呈する扁桃病巣感染症(IgA腎症、掌蹠膿疱症など)の場合も手術が適応となります。手術は全身麻酔で手術時間は30分程度です。入院期間は術後の痛み等により個人差がありますが、通常5日程度です。

4. アレルギー性鼻炎

通常はなんでもないようなものを外敵の侵入ととらえて、過剰反応がおこるのがアレルギー反応です。鼻にアレルギー反応が起こり、くしゃみ・鼻水・鼻づまりが起こった状態をアレルギー性鼻炎といいます。スギ花粉によるものが有名ですが、ブタクサによる秋の花粉症、ほこり(ハウスダスト)・ダニによる通年性アレルギーもあります。
アレルギー疾患の根本的・確実な治療法は今のところ確立されていません。アレルギー性鼻炎の最も一般的な治療はアレルギー反応を抑える飲み薬を飲んでもらうことです。通年性アレルギーで鼻づまりの強い場合は飲み薬が効きにくいので、点鼻薬を併用します。
点鼻薬を使っても鼻づまりがある場合は、鼻の粘膜が慢性的な刺激によって腫れて元に戻らなくなっていることが考えられますので、手術(下鼻甲介粘膜焼灼術)を行う場合があります。鼻の粘膜を、超音波メスやレーザーなど縮めてしまうことにより、鼻づまりを改善します。15分程度の手術で、外来で施行可能です。ただし、アレルギーそのものが治るわけではないので、薬がいらなくなるわけではないこと、また数年後にまた腫れてくる可能性があること、はご了承ください。

5. 声帯の疾患

声帯ポリープや声帯結節は大きな声を出す人や歌い手(プロ・アマを問わず)などにできやすい疾患で、症状は声のかすれです。ポリープ様声帯は喫煙歴のある女性に多く、だみ声をきたす疾患です。これらの疾患に対しては、声の改善を目的として喉頭微細手術を行っています。全身麻酔をかけた状態で口から金属の筒を挿入し、手術用顕微鏡下に病変を切除する方法です。ほとんどの場合2泊の入院で治療が可能ですが、再発予防のためには術後の声の安静も手術と同様に重要で。 声帯白板症や喉頭腫瘍の疑いの際には同じ方法を用いて病変の観察と診断のための組織採取を行います。   

6.中耳炎と難聴

中耳の手術には二つの目的があります。ひとつは慢性中耳炎や真珠腫性中耳炎による感染を制御して耳漏(みみだれ)を止めることで、もうひとつは鼓膜穿孔や耳硬化症などに対して聴力の改善を目的とするものです。
難聴については、突発性難聴など急性感音難聴に対しては入院または通院によるステロイド投与を行います。加齢による難聴に代表される両耳の難聴については補聴器の紹介なども行っています。

7.めまい

内耳が原因で起こるめまいの代表的疾患について紹介します。

a.良性発作性頭位めまい症

めまいを起こす内耳性疾患の代表が良性発作性頭位めまい症です。
特徴は

  • 1.頭を動きによってめまいが誘発される
  • 2.難聴や耳鳴りなどの聴覚症状は伴わない
  • 3.再発しやすい

この病気は、内耳で位置情報を感じる耳石器の耳石が何らかの原因で剥離し、三半規管のいずれかに浮遊してしまうために起こります。

b.メニエール病

ついで頻度の多いのはメニエール病です。
特徴は

  • 1.40-60歳の男女に多い
  • 2.めまいを反復する
  • 3.めまいとともに耳閉感、耳鳴り、難聴などの聴覚障害を伴う

メニエール病の原因は内耳の感覚器を包んでいる内リンパが多くなる(内リンパ水腫とよぶ)ためです。

c.前庭神経炎

  • 1.突然の吐き気や嘔吐を伴う激しいめまい感
  • 2.難聴や耳鳴りなどの聴覚症状は伴わない
  • 3.風邪の症状が先行することが多い
  • 4.反復しない

前庭神経炎の原因はウイルスによる前庭神経(三半規管と脳幹をつなぐ神経)の障害と考えられています。通常は入院のうえステロイド点滴などが必要です。

外来

外来担当一覧をご参照ください。月曜日から金曜まで午前に、水曜と金曜には午後にも診察しています。なるべく待ち時間を短縮するよう努力していますが、予約外で紹介状を持たずに受診されると、かなり待たれることになりますので、なるべく紹介状持参か、電話での受診予約をお願い致します。
特殊外来は水曜午後に腫瘍外来(予約)、隔週金曜にCPAP外来(予約)を開いています。ただし腫瘍の患者さんで初診の場合は随時受け付けております。

部長 中尾 一成