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前十字靭帯損傷

整形外科:前十字靭帯損傷

前十字靭帯損傷について

膝の関節内にある靭帯で、スポーツや事故などの外傷で損傷が起きます。この靭帯が損傷すると膝の不安定性が生じ、膝ががくっとくずれる、いわゆる膝くずれがおきます。痛みを伴う場合もあります。

前十字靭帯再建手術について

前十字靭帯再建手術について

診察とMRI検査で診断し、日常の生活やスポーツに支障がある場合、膝の後ろにある屈筋腱を使って、自分の組織である自家腱を関節内に移植します。本来の前十字靭帯の太さにするために、採った腱を重ねて束ね、移植します。この時、そのままでは骨内を通す長さが足りなくなるので、人工靭帯で長さを補います。この再建靭帯を大腿骨と下腿骨の間でチタン製の金具で固定します

手術の準備について

手術を受けることを決められたら、手術の準備を次のように行います。

全身状態の評価

手術を受けることが可能かどうか調べるために、手術予定日の4週間以内に術前検査を行います。血液・尿検査、心電図、胸部レントゲンなどの検査を行います。検査に異常があれば手術を行うことが可能かどうか調べるため、さらに詳しい検査や専門医を受診して頂くことになります。

併存症と処方

当院以外で治療中の病気がある場合は、その病名や治療、処方薬などの情報を、受診されている医師に確認してください。薬剤の中には、手術前にあらかじめ中止したり、投薬量を調節する必要があるものがあります。

手術後装具

手術後膝の保護のため、支柱のついた軟性膝サポーターのサイズを測って準備します。このサポーターは2万円位ですが、保険が効くので自己負担3割で6千円くらいです。

合併症と危険性について

前十字靭帯再建術は決して小さな手術ではありませんが、現在では、十分に安全な手術となっています。それでも感染(化膿)、静脈血栓症、人工関節の脱臼などの起こり得る合併症や危険性について知っておくことは大切です。

(1)感染(化膿)がおきると、治るのに長期間の治療を要する場合が多く、感染を起こさないように細心の注意を払います。手術で切開した部分に感染がおきないよう、無菌手術室で行い、予防的に抗生剤を用いて対処します。

(2)血管内に血栓といって、血の塊ができることがあります。静脈血栓症といいますが、足の裏を断続的に圧迫する器械を使って予防します。
血栓ができた時、血栓が血管内を移動して、肺塞栓をおこすことがあります。幸い前十字靭帯再建術で肺塞栓をおこしたことはありません。肺梗塞や肺塞栓がおきると重症化する場合が多く、万一肺塞栓が起きた場合は、総合診療科、循環器内科、呼吸器・肺外科がありますので、連携対応して治療にあたります。

(3)固定した金具が手術後早いうちにはずれたり、緩んだりする可能性があります。再建靭帯は1年くらいで熟成され、十分に機能するようになっていきます。早いうちにあまりリハビリを行わず、酷使すると再建靭帯が切れる場合があります。

手術後の経過について

手術した傷が治るまで2週間程度の入院です。手術直後の痛みが軽くなると車椅子、さらに痛みが軽くなると松葉杖を使って歩きます。リハビリは、CPMといって器械で膝の曲げ伸ばしを行い、理学療法士がついて筋力をつけ、膝を曲げるリハビリを行います。退院するときは装具をつけて、1本松葉杖を使って歩いて退院します。

退院後の生活について

手術後1ヶ月が過ぎると、装具と松葉杖がはずせます。
ジョギングは6週から8週位で可能になります。ランニングは8から12週位で可能になります。スポーツは6ヶ月から8ヶ月で可能になります。

費用について

前十字靭帯再建手術にかかる費用は概算で、合併症がなければ、健康保険3割負担の方が30万円くらいです。

当科への受診方法について

当科では平成20年10月から完全予約制となりました。かかりつけ医の紹介状を用意して、診療予約を当院予約センターでおとりください。予約センターの電話番号は03−3448−6004です。詳しくは当院ホームページをご参照ください。

(2008年11月 鈴木 誠也)