関東病院


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目の病気一覧

近視(きんし)

人間の目は本来遠くを見る時に自然にピントが合うようにできています。しかし小学校高学年から中学生くらいになると、もっと近くにピントが合うようになってしまい、遠くがみにくくなることがあります。このような目の状態を近視といいます。読んで字のごとく近くにピントが合っているので、近くをみるぶんにはあまり問題ありませんが、遠くはぼやけてしまいます。遠くが見にくくて困る場合には、眼鏡やコンタクトレンズを使うしかありません。小学校低学年くらいまでだと、一時的な目の緊張のために近視のような状態になることがあり、これは仮性近視(かせいきんし)とよばれます。仮性近視は場合によっては治ることもありますが、結局近視になってしまうことがほとんどです。適切な眼鏡であれば、早くかけると近視が進みやすい、ということはありません。また、眼鏡をはやくかけたほうが進みにくい、ということもありません。眼鏡をかけてもかけなくても進む時は自然に進みます。非常に近視が強い場合には目の病気がおきることもまれにあります。

遠視(えんし)

人間の目は本来遠くを見る時に自然にピントが合うようにできています。なかには自分の目の力を使わないとピントが合わないことがあり、このような状態を遠視といいます。遠視の人には、疲れやすい、普通の人よりも早く老眼の症状が出る、かわき目(ドライアイ)になりやすい、などの特徴があります。10代から20代くらいまでは遠くも近くもよく見えます。しかし30代後半くらいになると、近くをみると疲れる、近くのピントがあいにくい、遠くから近く、近くから遠くに視線を移す時にピントが合うまでに時間がかかる、などといった症状がでます。みにくい、疲れる、といった症状が強くなるようであれば、眼鏡をかけるしかありません。眼鏡に慣れるまではかえって疲れが強くなることもありますが、慣れればたいていは楽になります。

老眼(ろうがん)

人間の目にはもともとオートフォーカスの機能があり、遠くから近く、近くから遠くへと、自動的にピントが合います。この力を調節力といいます。調節力は若いころはたいへん強く、年とともにだんだん弱くなります。数字であらわすと、その力は10代では12程度ですが、30代で6、40代で4、50代で2程度になってしまいます。ふつうの人が近くをみるためには大体3程度の調節力が必要なので、通常40代なかばになると、近くがみえにくくなることになります。これを老視(ろうし)、一般には老眼といいます。近くがみにくいほかにも、つかれやすい、遠くから近く、ピントが合うまでに時間がかかる、といった症状がでます。近視の人の場合、近視用の眼鏡をかけていればやはり近くがみにくくなりますが、かけていない場合はなかなか症状がでません。これとは反対に、遠視の人で眼鏡をかけていない場合はさらに早く老眼の症状が出ます。基本的には近用の眼鏡(老眼鏡、ろうがんきょう)をかける、眼鏡の度を弱める、遠近両用の眼鏡をかける、など、眼鏡で対処するしかありません。老眼鏡は一生の間に、大体3〜4回度をかえる必要があります。

ドライアイ

人の目には、ふだん知らず知らずのうちに涙が出てきており、こうした涙は目の表面をうるおし、ばい菌やさまざまな刺激から目を守っています。この涙が少なくなったり、涙の質が悪くなったりすることをドライアイといいます。ドライアイになると、目が乾く、疲れる、ごろごろする、目をあいているのがつらい、みにくい、などといった症状が出ます。ひどい場合は黒目(角膜、かくまく)に傷をつくることもあります。ドライアイがあると、コンタクトレンズがうまく入れられなかったり、アレルギー性結膜炎をおこしやすくなったりすることもあります。まだ原因ははっきりしていませんが、体の病気にともなっておこったり、ウィルスが原因になることもあるようです。コンピュータを長時間見る人や、遠視の人に多くみられます。残念ながら根本的な治療法はなく、基本的には涙の成分の目薬を使っていただきます。エアコンや暖房は弱めにする、意識してまばたきをする、加湿器を使う、といった方法である程度症状をよくするこができます。

結膜炎(けつまくえん)

まぶたの裏側の赤い部分と白目の表面にはうすい透明な膜があり、結膜(けつまく)とよばれています。この結膜に炎症がおこることを結膜炎といいます。結膜炎になると、目が赤くなる、目やにが出る、ごろごろする、かゆい、涙が出る、などの症状が出ます。原因としては、ばい菌、ウィルス、アレルギーなどがあり、それぞれ細菌性結膜炎(さいきんせいけつまくえん)、ウィルス性結膜炎、アレルギー性結膜炎とよばれます。治療としては、細菌性の場合は抗菌薬、アレルギー性では抗アレルギー薬がよくつかわれます。また炎症をおさえるために抗炎症薬もつかわれます。通常目薬を使用して1週間程度でかなり症状は改善します。アレルギー性結膜炎はかゆみが強いという特徴があります。代表的なものに花粉症があります。ウィルス性結膜炎は充血、めやに、ごろごろなどの症状が強く、ほかの人にうつることがあります。また他の結膜炎より症状が長引くことがあります。

ウィルス性結膜炎(ウィルスせいけつまくえん)

まぶたの裏側の赤い部分と白目の表面にはうすい透明な膜(結膜、けつまく)があり、ここに炎症がおこることを結膜炎(けつまくえん)といいます。このうち、小さな病原体であるウィルスが原因でおこるものをウィルス性結膜炎といい、流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん、はやり目)や咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ、プール熱)などがあります。ウィルス性結膜炎になると、目が赤くなったり、めやにや涙が出たり、ごろごろしたりします。また、黒目ににごりができて、みにくくなったりすることもあります。目以外にも、かぜの症状が出たり、のどが痛くなったり、耳の前のリンパ節がはれたりすることもあります。早ければ一週間程度で治りますが、長いと3〜4週間かかる場合もあります。接触することでほかの人にうつったりしますので、あまり目にさわらない、まめに手をあらう、タオルなどはほかの人と別に使う、人との接触をできるだけさける、などの注意が必要です。治療としては、炎症症状をよくするための抗炎症目薬や、二次感染をふせぐために抗菌目薬を使います。

結膜下出血(けつまくかしゅっけつ)

白目の表面にある結膜(けつまく)という透明な膜の裏側の小さい血管が破れて出血したものです。白い部分におこるので真赤にみえるのです。眼をこすったり、お酒を飲みすぎたり、特殊な飲み薬のせいで出血することもありますが、ほとんどの場合はっきりした原因はありません。症状もほとんどない方が多く、鏡をみたり、人にいわれてはじめてきづくこともめずらしくありません。血液が目の中に入っていくことはありませんので、視力が悪くなることはありません。また、眼底出血とはまったく別のものですので、心配する必要はありません。放っておいても、1〜2週間で自然に吸収します。人によっては何度もくりかえす場合もありますが、目の出血だけであれば心配ありません。

瞼裂斑(けんれつはん)

角膜の横の白い結膜(けつまく)というところにできる、小さい黄色の少し盛り上がった三角形の斑点です。これは、老化現象の一種で、皮膚にできるシミが眼にできたようなものです。害はなく、放っておいてかまいません。年齢とともに目立ってくることもあります。炎症をおこすと赤く充血したり、ごろごろすることがあり、瞼裂斑炎(けんれつはんえん)とよばれ、場合によっては治療を行います。

白内障(はくないしょう)

人間の眼はよく「カメラ」にたとえられますが、人間の目の中で「カメラのレンズ」に相当するのが水晶体(すいしょうたい)という組織です。水晶体はもともと透明ですが、この水晶体がにごってしまうことを白内障といいます。白内障になると、光が目の奥にとどきにくくなり、まぶしい、かすむ、だぶって見える、視力がおちる、といった症状がでてきます。白内障のおおくは、白髪と同様、加齢によるもので、歳をかさねることで水晶体が硬くなりにごりを生じてきます。加齢以外にも糖尿病、アトピー性皮膚炎などの病気や、けがから白内障をきたすこともあります。自覚症状がない段階では経過観察となりますが、進行した場合の治療法は基本的には手術しかありません。手術はにごった水晶体を取りのぞき、新しく眼内レンズというレンズを挿入するものです。早く手術しても遅く手術しても基本的に結果は変わりませんが、あまり進行すると手術が難しくなり、合併症が起こりやすくなります。たいていの人は手術により昔と同じくらい見えるようになりますが、眼底などに異常がある場合はこのかぎりではありません。手術後にもう一度白内障が再発することはありません。しかし、術後しばらくしてから目に入れた眼内レンズの裏側がにごって、視力低下をきたすことがあります。これは後発白内障(こうはつはくないしょう)といいます。後発白内障は、ほとんどの場合レーザー治療により改善します。

緑内障(りょくないしょう)

緑内障とは、「視神経がへこんで障害され、視野が欠けてくる病気」です。検診で乳頭陥凹拡大(にゅうとうかんおうかくだい)といわれる方がいらっしゃいますが、これは「視神経がへこんでいるので緑内障の可能性がある」という意味です。40代以降の20人に1人が緑内障という調査結果もあり、けっしてめずらしい病気ではありません。もう一つ重要なのは眼圧(がんあつ)、つまり目のかたさです。眼圧の正常値は一応10−21mmHgとされ、以前は眼圧が高いのが緑内障の原因と考えられていました。しかし今では「適正な眼圧」は個人によって異なっていると考えられており、眼圧が正常でも視野が欠ける正常眼圧緑内障(せいじょうがんあつりょくないしょう)がもっとも多いということがわかっています。これとは反対に、眼圧が高くても視野に異常がない場合は、緑内障ではなく高眼圧症(こうがんあつしょう)とよばれます。両親や家族に緑内障の方がいる、近視が強い、糖尿病がある、ほかに目の病気がある、といった人は緑内障になりやすい傾向があります。ごく一部をのぞくと自覚症状は末期まであまりないので、定期検査をうけずに放置すると、気がつかないうちに視野が欠けてしまいます。いったん狭くなった視野がもとに戻ることはないので、早期発見、早期治療が重要です。治療は、多くの場合、眼圧を下げる目薬を使用します。眼圧が正常だったり、視野欠損が軽度の場合、点眼を使用せずしばらく経過をみる場合もあります。目薬だけでだめな場合は、飲み薬や手術が必要になることもあります。

飛蚊症(ひぶんしょう)

目の前に虫のようなものがみえる症状を、"蚊が飛ぶ"という意味で飛蚊症といいます。人によって泡、ひも、アメーバ、糸くず、ごみ、などにたとえることもあります。人間の目に入った光は、目の奥の内側にある網膜(もうまく)というところに映りますが、その前にある硝子体(しょうしたい)という組織ににごりがあると、光の通り道をじゃまして、網膜に影がうつってしまいます。これが飛蚊症の正体です。硝子体は卵の白身のようにドロドロとしており、目を動かすと硝子体のにごりも一緒に動くため、その影も一緒に動いてみえたりします。おなじころ、網膜が刺激されて暗いところでピカピカ光って見える症状(光視症、こうししょう)がでることもあります。残念ながら治療法はありません。ある程度時間がたつと、だんだんうすくなって気にならなくなります。しかし数ヶ月〜数十年くらい残ることもあります。ほとんどの飛蚊症は、病気ではありません。しかしまれに網膜剥離(もうまくはくり)や眼底出血(がんていしゅっけつ)などが原因となったり、そのまえぶれであることもあります。ご心配でしたらくわしい眼底検査(がんていけんさ)を受けてください。

糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)

糖尿病になると、目の奥の内側にある網膜(もうまく)という「カメラのフィルム」に、出血したり、血液中の水分や脂肪がもれ出てふやけた状態(浮腫、ふしゅ)になります。これを糖尿病網膜症といいます。こうした状態が長く続くと、網膜は栄養障害を起こしてだんだんよわってしまいます。網膜に出血や浮腫がおこっても痛みがでるわけではありません。また中心部におこらなければ視力もおちないので、自覚症状なしに進行していくことになります。そのため、視力がおちはじめたころには手遅れに近いということもまれではありません。したがって、糖尿病のある方は、自覚症状がなくても定期的な眼科受診が必要となります。ある程度進むと、網膜の細い血管がたくさんつまって、血液や酸素の流れが悪くなってしまいます。こういう状態が長く続くと、それを改善しようとして新しい血管(新生血管、しんせいけっかん)がはえてきます。この新生血管は、正常な血管と異なって非常にもろく、容易に出血をおこします。また、増殖膜(ぞうしょくまく)という悪い膜を生じたりします。これが大きな出血や網膜剥離、治りにくい緑内障をひきおこすのです。こうして糖尿病網膜症は、現代の失明の最も大きな原因の1つになっています。治療で最も大切なことは、血糖コントロールをしっかり行うことです。網膜症の軽い方は経過観察を行い、進行しなければ特に治療も必要ありません。ある程度進行した場合はそれ以上悪くならないようにレーザーの治療を行います。レーザーでだめな場合は手術を行います。レーザーや手術が必要かどうかは、網膜症の程度によります。

網膜裂孔(もうまくれっこう)

目の奥の内側に網膜(もうまく)という大事な膜があります。網膜はカメラのフィルムのように、実際に光を感じる働きをしています。この網膜に穴があくことがあり、これを網膜裂孔といいます。近視が強かったり、目をぶつけたりした場合によくおこります。網膜に穴があくだけなら問題ないのですが、この穴が原因で網膜がはがれてしまうことがあり、これを網膜剥離(もうまくはくり)といいます。網膜剥離になると、普通は手術をするしか方法はありません。そこで、網膜剥離にならないようにするために、網膜裂孔のまわりをレーザー光線などでのりづけする場合があります。うまくいけばレーザーだけで網膜剥離をふせぐことができます。なかにはレーザーをしなくても大丈夫な場合や、レーザーをしても網膜剥離になってしまう場合もあります。レーザーをしてもしなくても、しばらくは経過をみる必要があります。

眼底検査(がんていけんさ)

目に入った光は目の奥の内側にある網膜(もうまく)というところに映ります。この網膜はカメラのフィルムのようなものです。この網膜などに病気がないかを調べる検査が眼底検査です。ふつうの状態でも、ある程度眼底を調べることはできますが、くわしく調べるには、目薬を使って瞳をひろげた状態(散瞳、さんどう)で検査する必要があります。この詳しい眼底検査をすると、網膜剥離や眼底出血などがないかどうかがわかります。散瞳して眼底検査をすると、4〜5時間ものがみえにくくなったり、まぶしくなったり、ピントが合いにくくなったりします。いずれ元にもどりますので心配ありませんが、車の運転や手元のこまかい作業はできなくなりますのでご了承ください。

ぶどう膜炎(ぶどうまくえん)

ぶどう膜とは虹彩(こうさい)、毛様体(もうようたい)、脈絡膜(みゃくらくまく)という3つの組織をまとめた呼び方です。このぶどう膜に炎症が起きる病気をぶどう膜炎といいます。症状として、充血、眼痛、かすみ、飛蚊症、視力低下などがあります。ぶどう膜炎の原因はさまざまですが、原因不明のものも多く、原因が診断できるのは全体の3分の1から半分程度です。全身の異常と関係のあるものがあり、そのため全身の詳しい検査が必要になります。代表的なものにベーチェット病、サルコイドーシス、原田病などがあります。ぶどう膜炎の原因はさまざまですから、治療方法(点眼薬、内服薬、眼球周囲の注射など)もさまざまです。時には手術が必要になることもあります。ぶどう膜炎は治療により軽快することも多いのですが、放置すると網膜や視神経などが障害されて視力が回復しないこともあります。なかには治療の難しいものや、治療に長い時間がかかるものもあり、炎症をくりかえすことも珍しくありません。慢性のぶどう膜炎はうまくつきあっていくことが必要になります。症状がよくなっても自己判断で薬の量を減らしたり中止すると、重大な障害を起こすことがありますので、何かの理由で薬をきちんと使えなかったときは医師におっしゃってください。また、炎症の再燃が起きていても、自覚症状が乏しく気がつかないことも多いので定期検査を受けてください。

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)

黄斑変性症はカメラのフィルムにあたる網膜(もうまく)という組織の中心部である黄斑(おうはん)というところに悪い血管(新生血管)ができて網膜剥離や出血を生じる病気です。一番多いのが加齢(かれい)黄斑(おうはん)変性(へんせい)といって、年齢を重ねることによっておこります。他にも高度近視によるものや、原因不明のものもあります。

加齢黄斑変性の主な症状は、視野の中央が見づらい、ゆがむ、視力が落ちる、といったもので、周辺の視野には通常問題ありません。両目にみられることもめずらしくありません。アメリカでは中途失明原因の1位で、日本でも近年急増しています。眼底検査や造影検査などで診断します。

治療としては、光線力学療法(こうせんりきがくりょうほう)(PDT)と抗VEGF療法があります。PDTは特殊な薬を腕から注射した後に目にレーザーをあてます。抗VEGF療法は、新生血管を弱らせる薬を直接目に注射する方法です。効果は人によって違います。また元通りになるわけではありません。効果がなかったり治療を何度か行なうこともあります。加齢黄斑変性の危険因子には高血圧があります。また喫煙との因果関係がはっきりしていますので、たばこはひかえてください。ビタミンC、E、亜鉛、銅、βカロチンが視力低下の程度を防ぐ効果があるとされています。

網膜レーザー光凝固(もうまくれーざーひかりぎょうこ)

目に入った光は目の奥の内側にある網膜(もうまく)というところにうつります。この網膜は光を感じるところで、カメラのフィルムのようなはたらきをしています。この網膜に病気がおきると、視力が落ちたり、視野がせまくなったりします。網膜の病気のなかには、レーザーという特殊な光を使うことで、病気が進むのをある程度ふせぐことができるものもあります。代表的なものに、糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)、網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)、網膜裂孔(もうまくれっこう)、黄斑浮腫(おうはんふしゅ)があります。レーザーは、あえて網膜を強い光で「焼いてしまう」治療なので、レーザーをやることで多少みにくくなったりすることもあります。とくに糖尿病網膜症の場合、たくさんのレーザーをする場合があり、レーザー後に暗い感じがすることがあります。ですから、どうしても必要な方にだけレーザーの治療を行います。レーザーが必要か、またやる意味があるかどうかは、病気の種類や程度によってちがいます。また、レーザーは保険が効く治療ですが、それでも1〜5万程度のお金がかかります。

狭隅角(きょうぐうかく)

目の中には水が流れていて、これは房水(ぼうすい)と呼ばれています。実際には目の中に少しずつ房水ができてきて、その分だけ目から外に房水が流れ出ていくので、房水の量は一定になっています。この房水の出口は隅角(ぐうかく)といって、黒目と茶目の境目にあたります。もしこの隅角がつまってしまうと、房水の行き場がなくなり、目の中に房水がたまって硬くなってしまいます。これが急性緑内障発作です。狭隅角というのはこの隅角がせまいということです。ですからふつうの人より房水がたまりやすく、緑内障発作になりやすいということが問題となります。特に中高年以上の遠視の女性に多くみられます。緑内障発作になると急激に眼圧が高くなり、眼が痛くなったりかすんだりします。頭痛や吐き気を伴うこともあります。放置すると一晩で失明することもあり、すみやかに治療をうける必要があります。隅角がせまい場合、予防的レーザー治療を行うことがあります。また、白内障手術をすることで急性緑内障を予防することも可能です。狭隅角は年齢とともに進むことが多く、あまり狭いようであれば予防的レーザーまたは白内障手術をおすすめします。

網膜静脈分枝閉塞症(もうまくじょうみゃくぶんしへいそくしょう)

目の奥の内側に網膜(もうまく)という大事な膜があります。網膜はカメラのフィルムのように、光を感じるはたらきをしています。この網膜にある血管のうち、静脈(じょうみゃく)がつまってしまうのが網膜静脈分枝閉塞症です。静脈がつまると血液の流れが悪くなり、網膜にしみ出すように出血をおこしてしまいます。いわゆる眼底出血をおこすのです。出血だけでなく、網膜のむくみ(浮腫、ふしゅ)も生じます。出血やむくみの範囲や程度に応じてさまざまな程度の視力障害をきたします。まったく症状がないこともあれば、視力(0.1)程度まで落ちてしまうこともあります。この病気は、高血圧、糖尿病、高脂血症など体の病気にともなっておきることが多いといわれています。基本的には出血やむくみが自然に吸収するのを待つしかありません。飲み薬を飲んでいただく場合もありますが、効果についてはなんともいえません。レーザー治療をすることもありますが、やってもよくならなかったり、かえって悪化する場合もあります。最近では、むくみを軽くする目的で注射や手術を行うこともありますが、やはり決定的な治療とはいえません。どうのような治療を行うのがよいかは人によって、また時期によって異なります。体の病気がある場合は、その治療をしっかりすることが、再発予防に重要です。

閃輝性暗点(せんきせいあんてん)

急に視野の一部にギザギザや稲妻のような光がみえて、その形や大きさが変わったり、その部分だけ視野が欠けたりゆがんで見えたりする症状を閃輝性暗点といいます。中心部だったり左右どちらかの視野だけだったりします。ふつうは15分から30分くらいで自然になおります。閃輝性暗点は偏頭痛の一種で頭痛を伴うこともありますが、むしろ目の症状だけのことが多いようです。まだはっきりした原因はわかっていませんが、一時的に脳の血管がけいれんしておこるといわれています。年に数回起こる程度であればまず心配ありません。頻度が増えたり、他の症状が出るような場合には内科にご相談ください。

黄斑上膜(おうはんじょうまく)

黄斑上膜(黄斑前膜ともいいます)は、カメラのフィルムにあたる網膜(もうまく)という組織の中心部である黄斑(おうはん)というところに、もう一枚膜がはってしまう病気です。ほとんどは年齢とともにおきてきます。軽いうちは無症状ですが、ひどくなると網膜にしわがよってしまうので、ゆがんだり視力が落ちたりします。症状がないかあっても軽い場合はそのまま経過をみますが、ひどくなると手術が必要になることがあります。手術をやってもゆがみが残ったり、合併症がおきることもあります。眼底出血や網膜剥離などの病気のあとにおきることもあります。

霰粒腫(さんりゅうしゅ)

まぶたの縁にある小さい穴(マイボーム腺)に油がつまったりばい菌が入ったりして炎症をおこすのが“ものもらい”です。“ものもらい”のなかには、痛みや赤みはあまりなくて、しこりだけが残るタイプのものがあり、これを霰粒腫といいます。自然によくなることもありますが、何ヶ月も消えないこともあります。点眼が効くこともありますが、なかなかすぐには治りません。わるい病気ではありませんが、大きかったり、長期間残ったり、気になる場合には手術的にとりのぞくしかありません。手術をしても取りきれなかったり再発することもあります。

黄斑円孔(おうはんえんこう)

黄斑円孔は、カメラのフィルムにあたる網膜(もうまく)という組織の中心部である黄斑(おうはん)というところに、穴があいてしまう病気です。通常加齢にともない60代以降におきますが、眼をぶつけたり、眼の他の病気にともなって生じることもあります。中心部分がつぶれてみえたりゆがんでみえたり、視力が落ちたりします。治療としては硝子体手術(しょうしたいしゅじゅつ)が行われます。目の中の硝子体という組織を取りのぞき、そこにガスをいれます。ガスの力を利用して目の奥にあいた穴をふさぐので、手術後2週間程度うつぶせにする必要があります。手術をやっても穴がふさがらなかったり、穴がふさがっても視力がもどらない場合もあります。

中心性網膜炎(ちゅうしんせいもうまくえん)

カメラのフィルムにあたる網膜(もうまく)という組織の中心部に、水がたまってしまう病気です。正式には中心性漿液性網脈絡膜症(ちゅうしんせいしょうえきせいもうみゃくらくまくしょう)といいます。40代前後の働きざかりの男性によくおこり、ストレスが引き金になるといわれています。カメラのフィルムの中心部分がたるんだ状態になるので、真中が暗い、ゆがむ、大きさが違う、視力が落ちる、などといった症状がでます。治療しなくても数ヶ月で自然によくなることが多いのですが、まったくもとどおりになる場合と、多少の見えずらさが残ってしまう場合があります。再発することも多く、くりかえすにしたがってだんだん視力が悪くなる場合もあります。まれにレーザー治療を行うこともありますが、レーザーを行うことで網膜の中心部をかえって傷つけてしまうこともあるので、ごく一部の方にしか行いません。ストレスのない生活をこころがけてください。