関東病院


髄膜腫の治療

脳神経外科:髄膜腫の治療

髄膜腫の治療について

髄膜腫とは、脳の表面にある硬膜に多く存在するクモ膜顆粒細胞から発生する良性腫瘍です。特にその顆粒がたくさんある頭頂部の静脈の周りや、脳を支える頭蓋骨の底の部分にできることがおおく、麻痺・視力低下など脳の圧迫症状をおこします。大きくなると頭蓋骨の内側の圧が上がり、頭痛や認知症をきたす場合もあります。また圧迫された部分の脳組織から異常な信号がでることで、けいれん発作を起こして見つかることもあります。
女性ホルモンが腫瘍の成長にかかわっていることがあり、やや女性に多く見つかることが多いです。

診断にはMRI,CTスキャンが有用です。

髄膜腫は、手術で全部取れれば基本的には根治できるのですが、できる場所によっては後遺症なしに全部摘出するのが難しい場合もあります。幸いに小さいものではガンマナイフが有効なので、後遺症を最小限にとどめるようにできるだけ腫瘍を摘出し、もし残った場合にはガンマナイフを組み合わせる治療を行っています。

代表的な症例を提示いたします。

図1は巨大斜台髄膜腫の症例です。脳幹とよばれる脳の中枢部分が圧迫されていることで、うまく歩けないという症状で受診されましたが、手術後麻痺も回復し、歩いて自宅に退院されました。海綿静脈洞部分の腫瘍は取ると合併症が出現する危険性が高いと判断し、この部分は意図的に残してガンマナイフ治療をおこないました。

図1:斜台・錐体部髄膜腫 40代女性 歩行障害で来院

術後 術後

術後

術後のMRI:視野はほぼ正常化 術後のMRI:視野はほぼ正常化

図2は目が見えづらくなったということで発見された前床突起部の髄膜腫です。脳の重要な血管を巻き込み、左の視神経を強く圧排しています。脳の中央部に一部腫瘍を残さざるを得ませんでしたが、98%摘出できました。もし残存腫瘍が成長すればガンマナイフを検討する予定としています。術後視力は改善しています。一時的に目を動かす神経の麻痺が出現しましたが改善しつつあります。

図2:前床突起部髄膜腫 30代女性 視力低下で来院

術後 術後

術後

術後

術後

図3は30代女性の方で、頭痛と左眼の視力低下があるということで、受診されました。CT,MRI(画像はMRI)で巨大な腫瘍があり、頭蓋骨の内圧が上がっているために頭痛が起こっていると考えられました。脳との癒着は比較的少なく、手術後8日目に視力も改善して自宅退院されました。
図3-2は術後1日目の画像ですが、脳はかなり変形しているものの、ご本人の症状はありません。その後1年で図3-3のようにほぼ元の大きさに回復しています。髄膜腫のようにゆっくりと大きくなる病変に対しては、脳・神経はかなり柔軟に対応してしまうという例です。

図3

図3-1 図3-1

図3-2 手術翌日 図3-2 手術翌日

図3-3 手術後1年 図3-3 手術後1年

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