関東病院


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高血圧・腎臓内科

当科は日本腎臓学会および日本透析医学会から認定された教育指定施設として認定されています。

扱う疾患および特色

腎臓疾患一般と高血圧の診断と治療を行っています。

腎臓疾患に関して診断(腎生検、画像検査など)と治療、慢性腎不全の末期腎不全に関しては、クリニカルパスを用い外来あるいは入院教育を行い、慢性腎不全の進行抑制を目標としています。透析導入に至っても、当科の医師が血液浄化療法も担当していますので、経過を一貫して責任を持って診させて頂いています。図1は、当院で透析にはいった方の透析導入までの経過(血清クレアチニン値(Cr)の経過)を腎臓疾患別に示したものです(IgAN:IgA腎症、DM:糖尿病、HT:高血圧、PCK:多発性のう胞腎)。

【図1 疾患別 透析導入までの経過】【図1 疾患別 透析導入までの経過】

この図に示すように、原因となる腎臓疾患により透析導入までの経過は異なること、経過は原因となる腎臓疾患により異なるが、どの病気もゆっくり進む時期、急に悪化する転換点、急に進む時期があることが分かります。我々の検討では、転換点のCr値は、IgANでは、Cr2.17mg/dl, DM Cr 1.87mg/dl,HT Cr 2.59mg/dl,PCK Cr3.09mg/dlでした(図2)。

転換点のCr値に達するまでを引き伸ばすことが、透析導入までの期間を長くする最大の方法と考えています。このために、血圧の管理が最重要と考えて、降圧療法に重点を置いています。

【図2 4疾患の末期腎不全までの典型的なCr推移】【図2 4疾患の末期腎不全までの典型的なCr推移】

高血圧の診断・治療に関しては、高血圧を1.本当に高血圧かどうかを判断する(家庭血圧測定の推進をしています)、2.一次性、二次性の鑑別診断(原因がある高血圧を二次性高血圧という)をする、3.高血圧による合併症(脳卒中、眼底出血、心臓肥大、心筋梗塞、蛋白尿、腎機能低下など)の発症予防を行うことを目標にしています。高血圧は、自己管理が重要です。高血圧の予防、治療のひとつとして、体重管理(BMI25未満)、減塩(6g)、野菜摂取(腎不全の方を除く)、節酒(男性なら日本酒1合かビール500mlかワイン2杯まで、女性はこの半量)、禁煙という生活習慣の改善と家庭血圧測定を推奨しています(図3)。

【図3 生活習慣の改善】【図3 生活習慣の改善】

家庭血圧測定(上腕型血圧計で朝と寝る前に一日2度測定する。図4)により、白衣高血圧(病院に来ると血圧が高く、家では正常)や仮面高血圧(病院の血圧は良好で、家では高い)などが明らかになりました。そして家庭での血圧測定が、高血圧の臓器障害の発症に関連し、重要であると考えられるようになり、家庭血圧測定が高血圧の治療に重要となりました(高血圧治療ガイドライン2009)。当科では、早くから、家庭血圧測定値と、外来血圧測定値から、血圧の治療を行っています。また当院では、早朝血圧上昇*についても検討しています。当科の高血圧のコントロールは、収縮期が140mmHg未満は、54.5%(これは、全国平均では40%程度)で良好であると思われます。また家庭血圧測定率も83%と良好です。

【図4 家庭血圧の測り方】
【図4 家庭血圧の測り方】
【図4 家庭血圧の測り方】
【図4 家庭血圧の測り方】【図4 家庭血圧の測り方】

※早朝血圧上昇とは

家庭血圧測定により明らかになる早朝高血圧は、脳卒中や心筋梗塞などのリスクになると考えられています。当院での検討は、朝と寝る前の血圧の差が、10mmHg以上で、心臓肥大が認められることを明らかにしました。

当科における医療連携システムーK/SMOOTH―

よりよい高血圧治療を行うためには、高血圧によりおこる脳、心臓、腎臓合併症の評価を正しく行い、適切な降圧薬の選択をすることが日々の診療で重要です。また近年言われだした慢性腎臓病(CKD)の方々の脳、心臓疾患発症への注意や高血圧治療による脳、心臓疾患の予防や経過観察など重要なことについて近隣の医師会の先生方と連携して、スムースに診療を進め、情報の共有化を図る試みを行っています。高血圧、慢性腎臓病について、当科受診をご希望の方は医療連携システムのK/SMOOTHを利用して、お近くの開業医よりご紹介いただくとスムースに必要な検査や治療へのアドバイスを受けることが出来ます。また、当院での治療が一段落した後は再びお近くの開業医で経過を見ていただくという「二人の主治医を!」をモットーに医療連携をおこなっています。是非これまでの経過をお知らせいただく「診療情報提供書(紹介状のことです)」をお持ちください。現在おかかりのところの書類で全く問題ありませんが、当科で作成した「高血圧」専用の「診療情報提供書」PDF(546KB)、「腎臓疾患」専用の「診療情報提供書」PDF(464KB)もございますので、これをご参考にしていただいても結構です。(高血圧/慢性腎臓病の病状や経過、評価依頼項目が簡単に分かりやすくご記入いただけるようになっています)。

K/SMOOTH

( Kidney / Southern Tokyo Method Of Optimum Treatment of Hypertension:高血圧・腎疾患への適切な治療の城南方式)

血液浄化療法

当院腎臓内科に通院されている慢性腎不全患者さんの、腎不全が進行し、血液透析、腹膜透析が必要になった方の透析導入や、他院で血液浄化療法を受けている方が、手術や治療のために当院に入院する場合の入院中の血液浄化療法をおこなっています。  また、神経疾患(ギランバレー症候群など)や消化器疾患(潰瘍性大腸炎)や敗血症にたいして、血液吸着療法、血漿交換療法なども行っています。また、急性腎不全で入院された方の急性血液浄化療法、多臓器不全の持続血液浄化療法なども行っています。

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部長 渋谷 祐子