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心臓血管外科:心臓手術、血管手術を受ける患者さまへ

人工弁の選択

現在使用している機械弁。現在使用している機械弁。

人工弁には機械弁と生体弁があります。機械弁はパイロリックカーボンという材質でできていて耐久性に優れており、一生涯壊れる事はなく再手術を必要とすることはほとんどありません。問題は弁のところで血液が凝固して血栓をつくることがあり、これが体に飛んでいくと脳梗塞などを起こす可能性があります。これを予防するためにワーファリンという血液を固まりにくくする薬を一生飲め続ける必要があります。ワーファリンは効きすぎると出血を起こしたり、血がとまりにくくなるので2月に1度ぐらい採血をして効き具合をチェックしなくてはなりません。ワーファリンを飲んでいれば血栓塞栓症を起こす頻度は1年間で1%ぐらいです。

現在使用している、牛の心膜より作られている生体弁。現在使用している、牛の心膜より作られている生体弁。

人工弁には機械弁と生体弁があります。機械弁は熱分解炭素でできていて耐久性に優れており、人工弁が壊れることで再手術を必要とすることはまずありません。問題は弁のところで血液が凝固して血栓をつくることがあり、これが原因で脳梗塞などの血栓症を起こしたり、弁が動かなくなってしまうことがあることです。これを予防するためにはワーファリンという血液を固まりにくくする薬を生涯飲み続ける必要があります。ワーファリは効きすぎると出血を起こしたり、血がとまりにくくなるので定期的に(安定していれば1−2月に1度ぐらい)採血をして効き具合(国際標準化比INR)をチェックしなくてはなりません。ワーファリンを飲んでいれば血栓塞栓症を起こす頻度は1年間で1%ぐらいです。

生体弁は生物から採取したものでブタの大動脈弁や牛の心膜を薬品で処理したものが使われています。長所は機械弁に比べ血栓ができにくいことで、ワーファリンは多くの場合術後3月で中止します。しかし耐久性に関しては機械弁とくらべると劣り、10年から20年経つと生体弁自体が劣化するために再手術が必要となります。耐久性は弁を植え込む場所や、年齢によっても異なり、帽帽弁よりも大動脈弁のほうが、若年者よりも高齢者の方がより長い耐久性が期待できます。生体弁が選択される一番の理由は、抗血栓性に優れているため、ワーファリンを内服しないですむという点であります。定期的な血液検査を必要としないため通院も年に1,2回ですみます。高齢者に植え込まれることが多いため、患者の高齢化が進む日本では生体弁が機械弁よりもやや多く使用される傾向にあります。

現在使用している機械弁は、二葉弁でATS弁、SJM弁、カーボメディックス弁などであります。一方、生体弁では牛の心膜で作られたカーペンターエドワード ウシ心膜弁、ブタの大動脈弁を薬剤処理して作ったモザイク弁、プリマプラス弁、フリースタイル弁です。

当院では患者さまにそれぞれの弁の長所と短所をよく理解していただいたうえで植え込む弁を決定しています。再手術は二度としたくないという患者さんが日本では大半でありますが、なかには、将来再手術をしても、ある時期内服薬もなく、外来通院も年に一回程度で生活することを希望する方もいらっしゃいます。医者の側も年齢、社会的背景、再手術が可能か、心房細動などの不整脈がないかなどを考慮して患者さんに対応しております。

生体弁の適応は、(1)本人が希望する方、(2)若い女性:ワーファリンによる妊娠、出産への弊害があるため。(3)ワーファリンによる抗凝固療法が難しい場合:血液疾患、高度の肝機能障害などで凝固能の異常がある場合、規則正しく薬を内服出来ない患者さん、定期的外来通院が難しい場合など(4)高齢者の大動脈弁置換などです。僧帽弁に関しては、大動脈弁ほどの耐久性が期待できない事と、心房細動という不整脈を合併している場合が多く、もし、心房細動を合併していれば、生体弁を植え込んでもワーファリンを内服する事が推奨されるため高齢者でも機械弁になる場合があります。

現在使用している生体弁による大動脈弁置換術後の遠隔成績を図に示します。これは年が経つにつれてどのぐらい壊れるかをグラフにしたもので、年齢別に示してあります。70歳以上の方では17年で94%の方が弁の破壊による再手術をまぬがれております。この数字をどのように受け止めるかは患者さんそれぞれにより異なります。

人工弁の選択