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心臓血管外科:心臓手術、血管手術を受ける患者さまへ

脳合併症対策

冠動脈バイパス手術において、従来脳合併症の頻度は2−4%ぐらいの報告が多くなされています。特に冠動脈バイパス手術が必要な方は、心臓だけでなく動脈硬化の病変が全身の血管に及んでおり、これが脳梗塞などの原因となっています。脳合併症を起こす要因としては手術操作などによる上行あるいは弓部大動脈からの塞栓症、頚部及び脳血管病変の合併、血栓塞栓症などが考えられます。そこで、当院では心臓手術を受けられる患者様に対し、術前の大動脈病変及び頭頚部病変の評価を行い、合併症を回避するように努めてまいりました。

(1)上行大動脈病変の検索

胸部造影CT動脈硬化性変化の強い方の胸部CT。上行大動脈、下行大動脈ともに壁が肥厚し不整が認められる

(a)胸部造影CT

胸部のCTを術前に行うことにより全身の血管の動脈病変(動脈瘤、動脈硬化性末梢血管病変など)を調べると同時に動脈硬化の程度や、大動脈の壁不整、石灰化などもみます。

術中エコー上行大動脈の動脈硬化性変化の強い方の術中エコー。手術中に直接エコーを上行大動脈にあて観察したもので、壁が肥厚し不整が認められる。

(b)術中エコー

手術室で直接血管にエコーをあてて検査し記録します。

上行大動脈の壁不正、内膜肥厚、石灰化などを認めた場合には原則として人工心肺を使用しません。また、大動脈に遮断鉗子をかけたりなどの操作も加えません。大動脈に操作を加えないことを原則とした手術計画を立てます。

(2)頚部及び脳血管病変の検索

緊急手術例を除き頚動脈エコーによる頚部動脈病変のスクリーニングを行っています。頸部エコーにて、頚動脈狭窄や頭蓋内の狭窄が疑われる場合は、MRアンギオを行います。MRアンギオにおいても強度狭窄が疑われる場合及び両側性病変、脳虚血性発作がある場合には、脳血流とその予備力を精査します。脳血流予備力の低下を認めた場合には脳血管造影を行う事及び、脳血行再建が必要かどうか脳神経外科医にコンサルトいたします。1999年以降の冠動脈バイパス手術を受けられた方の約13%に頚動脈に75%以上の狭窄、あるいは閉塞を認めましたが、頚動脈の血流再建が必要となった方は1名でした。

(3)血栓塞栓症予防

術後の一過性の不整脈(心房細動など)が原因となる場合があります。したがって、不整脈が起こった場合は可及的に治療を行います。また、心房細動が持続する場合には血栓予防の薬を使います。