関東病院


関東病院ホーム > 受診案内 > 診療科案内 > 心臓血管外科 > 心臓手術、血管手術を受ける患者さまへ

心臓血管外科:心臓手術、血管手術を受ける患者さまへ

冠動脈バイパス手術(CABG)

(1)手術適応の決定

循環器内科医とカンファランスを行い、手術、カテーテル治療、薬物治療のいずれが患者さんにとって最も良い治療法であるかを検討し、手術適応を決定致します。

(2)合併症対策

冠動脈バイパス手術を受けられる患者さまは、心臓の動脈硬化だけでなく、全身に動脈硬化がおよんでいることが多くみうけられます。当院では患者さんの状態を術前総合的に把握し、特に脳合併症を起こさないように注意しております。なぜ冠動脈バイパス手術で脳合併症が問題となり、具体的にどのようなことを行っているかをお知りになりたい方は脳合併症対策をご覧ください。

(3)手術方針

完全血行再建

原則として完全血行再建、すなわち狭窄のある大事な冠動脈すべてにバイパスを行いますが、非常に高齢であったり、他に重篤な病気などがあり手術の危険性の高い方は、必要最小限な範囲に手術をとどめる場合もあります。

動脈グラフトの使用

心臓に使用されるバイパスグラフトとしては内胸動脈(胸の左右の裏側を縦に走る血管)、橈骨動脈(腕の動脈)、胃大網動脈(胃の動脈)、大伏在静脈(足の静脈)があります。なかでも内胸動脈は最もすぐれたバイパスグラフトと報告されております。当院では最も重要な冠状動脈である左前下枝のバイパスには原則として全例に内胸動脈を使用し、その他の冠状動脈にも動脈グラフトを使用してバイパスすることにしております。しかし、緊急手術の場合や、一部の動脈が使用できず、動脈だけではすべてのバイパスができない場合、また冠動脈自体の狭窄が比較的軽く細い動脈では流量が負けてしまう場合など静脈を使用する場合もあります。

人工心肺非使用バイパス術(オフポンプバイパス)を標準術式とする

体外循環を使用しない、心拍動下でのバイパス手術のことです。当院では初期の頃より行ってきましたが、現在の体制になった2007年以降はほとんどの症例(2009年で96%)に対して施行しております。心拍動下、非体外循環冠動脈バイパス手術の利点と問題点に関してお知りになりたい方は人工心肺非使用バイパスをご覧下さい。

(4)クリニカルパスの使用

2000年1月より冠動脈バイパス患者にクリニカルパスを使用しております。これは治療の標準化とともにきちんと目標を定めた治療を行うものです。また、予定外の状況に対して見直しが行われ治療の修正が可能です。

(5)当院の成績

現体制になった最近の3年で169名の冠動脈バイパス手術を行い、そのうち単独の冠動脈バイパス手術は146名です。待機手術での病院死亡はなく(0%)皆さん元気に退院されました。緊急手術では4名の方が亡くなられましたが、いずれも急性心筋梗塞などで全身状態が非常に悪いかたでした。この4名を含めると全体として入院死亡率は2.7%です。平均のバイパス本数は3.4本、バイパスの開存率は、96%以上です。

(6)術後在院日数

年齢別の術後在院日数の分布表と平均±標準偏差のグラフです。大半の方は10日から2週間の間に退院され、平均すると全体で14.9±11.4日です。

冠動脈バイパス術

CABG

左内胸動脈による左前下行枝へのバイパス術後の造影 左内胸動脈による左前下行枝へのバイパス術後の造影

右内胸動脈による右冠動脈へのバイパス術後の造影 右内胸動脈による右冠動脈へのバイパス術後の造影

橈骨動脈による大動脈左回旋枝バイパス術後の造影 橈骨動脈による大動脈左回旋枝バイパス術後の造影

心拍動下バイパス手術、左右内胸動脈、橈骨動脈を使用して8か所のバイパスを行った症例。術後の64列CT画像。 心拍動下バイパス手術、左右内胸動脈、橈骨動脈を使用して8か所のバイパスを行った症例。術後の64列CT画像。