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内視鏡部:カプセル内視鏡

 一昔前には全くの夢であった技術が近年次々と実用化されてきています。カプセル内視鏡もまさしくその一つでしょう。ミクロ決死隊が半分実現したようなものです。2000年にGiven Imaging社で開発され、世界中で検査が行われています。2007年10月から日本でも保険適用となりました。

カプセル内視鏡の対象は?

 現在日本で利用可能なカプセル内視鏡は小腸の観察用に出来ており、小腸疾患が対象です。胃や大腸の検査にはなりません。残念ながら、胃カメラや大腸内視鏡が苦手だからカプセル内視鏡で、というわけにはいかないのです。ただ、外国では食道用や大腸用も開発されており、いずれ日本でも利用できるようになる可能性があります。

 また、小腸疾患なら何でも対象になるのではなく、小腸出血が疑われる場合に限られています。便に出血があった場合、大部分は上部消化管(食道、胃、十二指腸)か大腸に原因があり、どちらかの内視鏡検査で原因が判明します。出血があったのに胃や大腸の内視鏡検査等をしても病変がない場合などがカプセル内視鏡検査の有力な候補になります。ご自分の希望や症状だけでは検査の対象になりません。医療機関からの紹介が必要ですし、紹介があっても必ず検査になるわけではありません。検査をするかどうかは専門医の判断によります。

カプセル内視鏡のシステム・実施の概略


図1:検査中

 検査前日は夕食までは普通にとります。当日は飲食をしないで朝に病院に来ていただきます(検査のためにわざわざ入院する必要はありません)。腹部にコードのついたセンサー(心電図の電極のようなもの)を8枚はりつけ、データレコーダー(小さな弁当箱大)とセンサーをコードでつなぎ、持ち運び用のベルトに収納して身に付けると準備完了です(図1)


図2:カプセル内視鏡

 ここでカプセルを水と共に服用して検査開始となります。カプセルは11x26mm大で、普通のカプセル薬と同じくらいの大きさです(図2)。開始後しばらくは飲食できませんが、2時間後からは飲料、4時間後からは食事が許可となります。日中は自由行動で、どこへ行っていてもかまいません。約8時間後(つまり夕方)に再び来院していただき、センサーをはがして検査終了です。


図3:カプセル内視鏡の画像(小腸)

 このカプセルは約8−9時間にわたり毎秒2コマのカラー写真を撮影し、電波で送信します。使い捨てであり、便と一緒にトイレに流してしまいますが、小さいのでトイレがつまることはまずありません。撮影した写真はデータレコーダーに記録され、それを後からコンピュータ画面で読影します。これには非常に時間と労力がかかるので、検査結果がわかるまでには数日はかかります(図3)。

カプセル内視鏡の利点と限界

 小腸というのは人体で最大の臓器であるのに従来良い検査法がなくて困っていました。カプセル内視鏡はこの点画期的です。従来ほとんど唯一の方法だったバリウムによる造影検査よりはるかに病変発見能力が高いことが示されています。しかも被験者の負担はごく軽いものです。小腸出血が疑われる方を対象として2004-6年に当院で行ったカプセル内視鏡の結果、約60%の方に原因と思われる病変が発見されました。これは従来の検査法と比べると画期的な数字と言えます。ただ、残念ながら、カプセル内視鏡で診断がつかない例も少なくありません。