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内視鏡部
医師紹介 内視鏡検査に関するQ&A
  当院では昭和30年代の内視鏡検査の草創期から検査が行われ、2000年12月新病院開院時には、NTT関東病院内視鏡センターとして780平方メートルの日本有数の内視鏡センターとして立ち上がりました。2004年1月からは内視鏡部として態勢を整え、質・量の両面で増大する内視鏡検査・治療の需要に即応できるようにしました。消化器内科、外科との非常に緊密な連携の下に運営されております。看護スタッフも内視鏡学、感染防御などについて多くの研鑽を積んで関連学会で指導的な活動をしており、当内視鏡部の佐藤絹子主任看護師が、平成19年5月に第58回日本消化器内視鏡技師学会の会長を務めました。このように、当内視鏡部では常に最高レベルの内視鏡システムが稼動しております。 最近の話題では、ESDの発展、カプセル内視鏡、ダブルバルーン内視鏡、経鼻内視鏡、ミント法などが注目されます(消化器内科を参照)。

■内視鏡部の検査態勢
  検査室として9室あり、専用のX線透視室を加え10室で検査をおこなっています。2008年の検査件数は上部消化管約16000件、下部消化管約6600件でした。このほか膵胆管内視鏡、超音波内視鏡も行っています。通常の検査のほか、胃癌、食道癌、大腸癌などの内視鏡的切除(ESDの項参照)が最近急速に増加しており、また出血や閉塞性黄疸などの緊急の場合は、熟練したスタッフが常時即応できる態勢をとっており、必要な処置をすぐに実行できます。
食道から大腸までと膵臓、胆道の全領域の疾患を対象としており、内視鏡による疾患の診断のほかにあらゆる内視鏡治療が当院で行われています。

食道: 食道癌の内視鏡的切除、食道静脈瘤の内視鏡的治療(硬化療法、結紮術)、食道拡張術やステント挿入
胃: 胃癌の内視鏡的切除、胃潰瘍の出血に対する止血術、ポリープ切除術、胃ろう造設 、胃静脈瘤の治療、異物摘出
十二指腸: 十二指腸潰瘍出血の止血 、癌の内視鏡的切除、狭窄に対する拡張術やステント治療
小腸: カプセル内視鏡(下記)、ダブルバルーン内視鏡
大腸: 早期大腸癌や大腸ポリープの内視鏡的切除、大腸憩室などからの出血の止血、大腸狭窄の拡張術やステント治療
胆道: 胆道悪性腫瘍の内視鏡治療、総胆管結石の破砕・除去
膵臓: 膵悪性腫瘍の内視鏡治療、膵石の治療 、膵炎による仮性膵のう胞の内視鏡的治療


■カプセル内視鏡
  カプセル内視鏡が最近話題になっています。日本では2007年10月から保険適用となりましたが、当院では2004年4月からこの検査を開始していました。小腸疾患や原因不明の消化管出血の診断に大きな力を発揮しています。小腸疾患の診断は従来困難なことが多く、小腸の出血性疾患ではどこの施設でも出血源の診断がつかないことの方が多いほどでしたが、当内視鏡部での経験では上部消化管にも大腸にも出血源の見当たらない事例でカプセル内視鏡を行った結果、約6割で出血源と思われる小腸病変が発見され、診断・治療に大きく役立っています。実際、検査件数の大半は大学病院または大病院からの紹介となっています。
この検査は、適用対象が厳しく制限されています。このため、検査をするかしないかは担当の専門医が決定します。ご本人のご希望や紹介状だけでは検査を実施できませんので予めご了承ください。

■経鼻内視鏡(胃カメラが苦手、という方に)
  上部消化管内視鏡(胃カメラ)をのもうとすると嘔吐反射が強くてどうも苦手だ、という方は少なくありません。そのような方に対しては当内視鏡部ではいくつかの選択肢をご用意しています。一つは鎮静剤を使って検査をする方法です。検査中画面を見られない、当日は車などの運転ができない、検査後1−2時間ほど休む必要がある、などの制限はありますが、検査中の不快感はほとんど感じないですみます。もう一つは経鼻内視鏡です。鼻から表面麻酔をした後で細いスコープを鼻から入れて検査をします。この方法では嘔吐反射は少ないことが多いです。経鼻内視鏡もつらいという方もありますが、口からの胃カメラは大変だという方では大抵経鼻内視鏡の方がずっと楽に感じます。ただ、鼻がつまっていたりすると経鼻内視鏡はできないことがありますし、検査時にこすれて鼻出血が起こることがあります。

■ミント法
  胃カメラの前処置として、従来から鎮痙剤(胃腸の動きを抑える薬)の注射が使われてきました。当院でも長年そうしてきましたし、ほとんどの病院では今でもそうです。しかし、当院では、2006年から注射のかわりにハッカ水(ペパーミント オイル)を使っています。皆様よくご存知の、あのハッカのにおいです。胃カメラの最中に内視鏡のチャンネルからハッカ水を胃の中へ注入することにより、胃の動きを抑えることができるのです。この方法には多くの利点があります。まず、痛い注射をしなくてすむこと。第2に、鎮痙剤には何種類かの副作用があるのですが、ミントでは当然ながらそれが防げます。ミント自体は食品添加物にも使われ、無害です。そして最大のポイントは、良い香りです。アロマテラピーで最も人気があるのはペパーミントだそうです。この方法で胃カメラをされた方で、“これはアロマテラピーですね”とおっしゃった方もいました。
ただ、全員がミント法で行なうわけではなく、今でも注射が必要なこともあることはご了解ください。

■ダブルバルーン内視鏡
  カプセル内視鏡は小腸病変の診断に大変有用ですが、カプセル内視鏡では写真をとることしかできません。そこで発見された小腸病変に対して直接何らかの処置をする場合、ダブルバルーン内視鏡が非常に有用です。この内視鏡は自治医科大学の山本博徳博士が開発された、国産の技術です。当院でも諸種の小腸病変に対しダブルバルーン内視鏡を行なっています。

■電子カルテとの連動
  当院では他に先駆けて電子カルテが導入されましたが、内視鏡部門もファイリングシステムとして電子化されており、電子カルテと連動しています。このため手書きの伝票や報告書はなく、画像も光学写真ではなく全て画像データとしてサーバーコンピュータに保存されます。検査中はご本人から見えるところにモニター画面があってリアルタイムで見ることが出来ますし、検査後は電子カルテでいつでも画像を呼び出すことができます。更には、前処置用の薬剤が持病のために使えない場合などがありますが、そのような時は電子カルテと連動しているため適切でない薬剤が自動的にブロックされますので安全性もすぐれています。

■内視鏡洗浄消毒
  当内視鏡部では全例が感染可能性があるものとの前提に立って1検査ごとに完全な洗浄・消毒を行っておりますので、内視鏡を介した感染は考えられません。この分野での先進性のため、全国、さらには世界各国の多くの施設から内視鏡部の見学に見えます。

■学会活動
  日常診療をしつつもその貴重な経験を医学の進歩に役立てるため、学会活動も精力的に行っております。消化器、内視鏡分野では日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会、American Gastroenterological Association(米国消化器病学会)、American Society for Gastrointestinal Endoscopy(米国消化器内視鏡学会)などに参加して指導医、評議員などの任についており、学会発表、論文発表をするとともに日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会の認定施設、指導施設になっていて専門医の育成を行っています。電子カルテシステムや画像ファイリングシステムを利用したデータ処理もこれら学会活動に大きく役立っています。

  最先端の安全、清潔、快適な内視鏡検査・治療を実施しておりますので、安心して検査にお越しください。

■内視鏡診療実績

2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年
上部内視鏡 8,419 8,954 11,256 12,265 13,151 15,118 15,969 15,925
大腸内視鏡 3,247 3,324 4,169 4,744 5,553 6,215 6,782 6,579
逆行性胆管膵管造影(ERCP) 75 102 116 168 168 195 234 249
カプセル内視鏡 0 0 0 27 53 120 32 115
上部粘膜切除※ 55 61 59




上部EMR


34 15 5 0 0
胃ESD


27 44 125 185 204
食道ESD


      26 24
大腸腫瘍切除(良性) 802 693 770 1,032 1,179 1,240    
大腸腫瘍切除(悪性) 42 97 67 57 89 107    
大腸腫瘍切除(ESD以外)             1,492 1,390
大腸ESD             47 70

※上部粘膜切除は2004からはEMRとESDに分けて集計
※大腸腫瘍切除は2007からはESDとそれ以外に分けて集計

内視鏡部長 松橋信行



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