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第6回横須賀米海軍病院との合同研究会を開催しました

合同研究の模様

平成26年5月16日、米海軍横須賀基地の将校クラブ内ホールにて「第6回横須賀米海軍病院−NTT東日本関東病院との合同研究会」を開催しました。
横須賀海軍病院での開催は3回目となり、当院からは、3名の医師がそれぞれの学術研究や取り組みについて英語での発表を行いました。また、横須賀米海軍病院日本人インターンの先生1名にも講演いただきました。


耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長 中尾一成医師

はじめに、耳鼻咽喉科・頭頸部外科部長・中尾一成が “Multiple primary malignancies in patients with head and neck squamous cell carcinoma” の表題で発表を行いました。
Field Cancerizationの概念に基づく頭頸部扁平上皮癌の発生様式について触れ、当科で治療した喉頭癌および下咽頭癌症例について重複癌の頻度や部位の検討を行いました。現病制御の向上や早期がん発見の技術革新の結果、頭頸部癌における重複癌の頻度は以前より明らかに増加傾向にあり、下咽頭癌では64.5%の患者に何らかの重複癌を認めました。喉頭癌においては重複癌が現病以上に重要な予後因子でありました。また喉頭癌には喫煙と関連して肺癌の合併率が、下咽頭癌には飲酒と関連して食道がんの合併率が高いことを示しました。頭頸部癌患者においては現病の治癒後も長期にわたる検診プログラムが重要であることにつき強調しました。

歯科口腔外科部長 山城正司医師

次に歯科口腔外科部長の山城正司よりMasticatory function after ablative surgery in oral tumor patients(口腔腫瘍患者における切除手術後の咀嚼機能)について発表しました。 咀嚼とは、食事を楽しみ、食を通してコミュニケーションを行うという点で、「食の質」というQOL維持に大きく関与する機能であります。現在、顎骨の切除手術を伴う口腔腫瘍患者に対して、咀嚼機能回復のために血管柄付き遊離骨移植、PCBMなどの再建材、顎義歯やインプラントなど様々なツールが用いられています。しかし、顎骨再建については、未だ標準的治療、評価方法がありません。今回、我々が行ってきた顎骨再建方法の工夫、咀嚼機能の評価方法を紹介し、良好な咀嚼機能が得られていることを示しました。


循環器内科医師 亀田良医師

最後に循環器内科医師・亀田良より「Comparrison of neointimal coverage of biolimus eluting stent and everolimus eluting  stent at 1, 2, 3, and 4 months follow up evaluation by OCT」ついて発表しました。虚血性心疾患におけるPCI(冠動脈形成術)は、再狭窄率の低下から薬剤溶出性ステント(DES:drug-eluting stent)の使用が主流であります。一方でDESは治療後遠隔期に遅発性ステント血栓症の発症が問題であり、この原因の一つとしてステント留置部位の新生内膜被覆遅延が考えられています。ステント被覆化は、主に使用されている第2世代DES(エベロリムス溶出性ステント;EES及びバイオリムス溶出性ステント;BES)では、8か月以内に認められると報告されているが、4か月未満の早期被覆化については報告がありませんでした。

今回はOCT(optical coherence tomography:光干渉断層法)を用いて第2世代DESにおける早期被覆過程の経時的推移を調査しました。

調査方法としましては、安定狭心症患者、連続39症例(EES 18例、BES 21例)を対象とし、新生内膜被覆化過程をステントストラットの被覆率(%)を評価し、経時的に評価しました。

その結果、EES、BESした。 ともに被覆化の割合は経時的に増加傾向でした。また、EESと比べBESではより早期から被覆化を認めた [BES:EES被覆率(P値) 1か月後;57.5% : 37.3% (P<0.05)、2か月後;80.9% : 45.5% (P<0.01)、3か月後;84.0% : 61.2% (P<0.01)、4か月後;93.3% : 97.1% (P=NS)]。

本研究である早期被覆過程の解明は、血栓症リスクの評価、高齢者や抗凝固薬併用者などの出血性合併症高リスク患者における至適抗血小板薬内服期間の決定、あるいは症例に応じた適切なステントの種類を決定する上で、臨床的意義が高いといえます。