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第5回横須賀米海軍病院との合同研究会を開催しました

合同研究の模様

平成25年11月15日NTT東日本関東病院のカンファランスルームにおいて、「第5回横須賀米海軍病院-NTT東日本関東病院との合同研究会」を開催しました。
この研究会は、横須賀米海軍病院(USNH)との友好関係の継続、学術での交流を深めていくことを目的に開かれている合同研究会です。当日は当院から落合院長をはじめ医師2名、看護師1名、横須賀米海軍病院のインターンの先生1名が講演を行いました。


外科 諸角謙人医師

はじめに、外科の諸角謙人より、横須賀海軍病院より紹介いただいた37歳女性の症例について発表した。嘔吐を主訴に受診し遠隔転移を伴う胃癌の診断となる。早期に化学療法導入が必要と判断し、狭窄部にステント留置しSP開始。開始後は腫瘍マーカー著明に改善していたが、2kur目に嘔吐再出現。腹膜播種増悪による小腸閉塞でバイパス術を施行した。術後告知を行ったが精神的に不安定になり、様々なサポートを要した。また非常に進行の早いスキルス胃癌でその後の化学療法等、全く奏効せず初診より5か月後に永眠された。と述べた。

看護部母性看護専門看護師 長坂桂子

次に、看護部母性看護専門看護師 長坂桂子より、
The experience of caring for a terminal cancer patient who does not speak Japanese 〜日本語を話さない末期がん患者のケアを行った経験〜について、看護師・薬剤師へのインタビュー内容を質的に分析し発表した。言葉の壁への対処で最も工夫が必要であったのは、インフォームド・コンセント及び、治療や治療に伴う生活に関する意思決定支援の場面であった。通訳コーディネーターには、医師や患者の言葉をそのまま訳していただくよう依頼し、誤訳がないよう配慮した。患者・家族の思いが尊重され、最善の医療やケアが提供されるようチームカンファレンスを開催した。「時間」は特に重要な要素であることが見出された。最善のケアのためには文化ケアを含む高度な看護実践が必要である。」と述べた。


ペインクリニック科部長 安部洋一郎医師

続いて、ペインクリニック科部長の安部洋一郎より、NTT東日本関東病院ペインクリニック科の現状について発表した。ペインクリニック科は当院では1976年に麻酔科より独立し、主に神経ブロックを主体に内服薬を組み合わせた治療を行っている。痛みは情動の一部であり、客観的に把握するのは難しい。現在では臨床心理士による患者さんの心理面や社会的立場の把握をおこない、多面的に評価し治療戦略を立てている。我々の治療をおこなうことで痛みが減少するだけでなく、患者さんの日常生活の質が向上するかどうかが重要と考えている。神経ブロック療法は痛みの悪循環をとり、内服薬を減らすという効果がある。また眠気、ふらつきなどの副作用がないため、患者のリハビリに対する意欲を高める。

近年は、腰椎疾患に対して椎間板摘出術や高周波熱凝固法、硬膜外腔癒着剥離術、椎体形成術などを病態に合わせて組み合わせ、治療を行っている。と発表した。


当院院長 落合慈之医院長

続いて、当院院長の落合慈之より、バーコード技術による手術用機器の管理について発表した。滅菌供給部の業務の1つ手術用機器のセット組がある。外科開腹用セットや脳外開頭用セットとして、それぞれのセットに、予め決められた数のはさみや鑷子や鉗子など、必要な機器を取り揃える作業である。経験が必要であり、どの機器は何科の何に使うための道具で、1つのセットの中には何本取り揃えるべきか。これらが判っていないと、この作業を完璧にこなすことは難しい。しかし、一つ一つの機器にバーコードを取り付け、それをバーコードリーダーで読み取りさえすれば、その機器はどのセットのものか瞬時に判るようになっていればどうであろう。

セット組のための作業効率は間違いなく向上し、熟練者でなくても取りそろえの間違いは起きなくなるはずである。もし、手術が終了したとき、手術用機器のセット回収に際して、実際にその手術で使用した機器と使用しなかった機器を区別し、その時点でもバーコードを読むことにしたらどうであろう。機器個々の使用履歴が記録されることになる。

こういうことを繰り返していけば、そのセットの機器はそれぞれに何回滅菌に供され、同じセット組の中の機器であってもどの機器の使用頻度が高く、どの機器は殆ど使われていないといったデータの集積が可能になる。最も効率的な必要最小限のセット組を作るにはどうするべきか。その答えも得られるし、どの患者にどの機器が使われたのかの記録も残ることになる。 いわゆる、医療機器一つ一つについてのトレーサビリティの確保である。
当院では、特殊な微細バーコードマーキングを施すことにより、非常に小さな機器の組み合わせからなる各科手術用内視鏡セットについても、トレーサビリティの確保に努めている。

患者安全と医療の効率性改善のためであり、これらは世界に先駆けた当院独自の取り組みであると述べた。