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第4回横須賀米海軍病院との合同研究会を開催しました

平成25年5月17日、米海軍横須賀基地の将校クラブ内ホールにて「第4回横須賀米海軍病院−NTT東日本関東病院との合同研究会」を開催しました。横須賀海軍病院では2回目の開催の合同研究会となりました。 当院からは、3名の医師がそれぞれの学術研究や取り組みについて英語で発表し討論会が行われ、また、横須賀米海軍病院日本人インターンの先生1名にも講演いただき、互いの医療の現状についても理解を深める事ができました。


レジデント 大島聡人

初めに、当院レジデントの大島聡人より、「直腸癌骨盤内再発・膿瘍に伴って頚椎レベルまで硬膜外腔気腫の認められた一例」の発表を行った。「症例は44歳男性、直腸癌低位前方切除後4年、腰痛と食欲不振を主訴に来院した。発熱、炎症反応高値、腎機能低下を認め、CT撮影にて、仙骨前面から岬角まで広がる骨盤内再発(内部にガスの貯留を認め、一部膿瘍化)、多発肺転移、両側水腎症とともに、仙骨レベルから下位頚椎レベルまで達する硬膜外腔気腫を認めたため、緊急入院した。カルバペネム系抗菌薬による治療とともに、第3病日に傍仙骨からCTガイド下経皮的膿瘍ドレナージを施行した。また第9病日に横行結腸人工肛門造設術を施行した。その後、徐々に解熱し、第15病日のCTでは再発腫瘤に生じた膿瘍はわずかながら縮小し、硬膜外腔気腫は消失していた。化学療法施行後、第43病日に退院となった。我々が文献的に検索した限り、消化管腫瘍の進展に伴う硬膜外気腫の報告は認められなかった。」以上、非常に稀な直腸癌術後再発に伴う硬膜外腔気腫の症例を経験したので報告した。

外科医師 諸角謙人

次に、外科の諸角謙人より、「胃GISTが切除後6年の経過を経て右腋下領域に孤発転移を起こした一症例」について発表を行った。症例は58歳、男性。体上部後壁の8cm大GISTに対して噴門側胃切除・膵体尾部脾切除を施行。CD34(+)、c-kit(+)、核分裂像45/50HPFのhigh risk groupの胃GISTで、リンパ節転移は認めなかった。術後補助化学療法は行わず、定期CT等により経過観察を行い、術後5年の精査にて再発所見を認めなかった。術後6年3ヶ月頃より右腋窩のしこりを自覚、増大傾向あるため約1ヵ月後に受診した。触診・CT・US等にて長径7cm強の腫瘤を認め、他に異常を認めなかった。CNBにて胃GISTの転移(CD(+)、c-kit(+))と診断されイマチニブ内服を開始し、1ヵ月後のCT・USで長径が5cm強に縮小した。胃GISTの腋窩領域転移再発の報告は文献上認められない極めて稀な1例であった。今後減量療法を継続し、外科的切除を目指していく予定である。との報告を行った。


循環器内科部長 山ア正雄

最後は、循環器内科部長 山ア正雄より、「Analysis of factors influencing elapsed time from onset to emergency medical service call in patients with acute myocardial infarction
〜急性心筋梗塞における発症から救急コールまでに要する時間に影響する因子に関する検討〜」について発表を行った。
「急性心筋梗塞はできるだけ早期に治療すべき疾患だが、発症後に医療機関に通報するまで時間がかかることが問題となっている。今回我々は2010年に発症した急性心筋梗塞患者さんにつき解析した。通報までに要した時間の中央値は60分で、5分以内に通報した患者さんはわずか8.6%であった。通報が遅れる要因として、男性・高齢者・深夜から早朝の発症・自宅発症が挙げられた。いつもとは違う胸部症状の場合はできるだけ早く救急医療機関に通報するよう、さらなる患者教育が望まれる。」との報告を行った。


横須賀海軍病院 日本人インターン 小林たかあき先生

また、横須賀海軍病院から日本人インターンの小林たかあき先生より「スティーブンジョンソン症候群の一症例」について発表を行っていただいた。「特に既往のない22歳男性。咽頭痛、咳、熱の主訴で前医を受診し溶連菌検査を試行され陽性となりペニシリンの内服を開始した。その後も咳が悪化し横須賀海軍病院をじゅしんした。呼吸上昇、頻脈、採血で白血球の上昇、胸部レントゲンで肺炎像を認め、肺炎の診断で入院となった。レボフロキサシンの点滴を開始した。入院後、結膜炎、尿道炎、口腔内の粘膜病変を確認し皮膚科にコンサルトしスティーブンジョンソン症候群の診断となった。原因として薬剤性を疑ったが、現病歴を再確認したところペニシリンを内服する前より口腔内の病変を認めていたことが発覚した。また肺炎の治療前、治療後に採血結果でマイコプラズマの抗体価が4倍以上に上昇しておりマイコプラズマ肺炎とそれに伴うスティーブンジョンソン症候群と診断した。免疫グロブリンの点滴で症状は速やかに改善し退院となった。」との報告であった。