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第3回横須賀米海軍病院との合同研究会を開催しました

平成24年11月9日NTT東日本関東病院のカンファランスルーム において、「第3回横須賀米海軍病院-NTT東日本関東病院との合同研究会」を開催しました。この研究会は、横須賀米海軍病院(USNH)との友好関係の継続、学術での交流を深めていくことを目的に開かれている合同研究会です。

当日は当院の医師3名と横須賀米海軍病院のインターンの先生1名が 講演を行いました。


脳神経外科部長・脳卒中センター長 森田明夫

初めに、当院脳神経外科部長・脳卒中センター長の森田明夫より本年6月にNew England Journal of Medicince誌に掲載された日本における未破裂脳動脈瘤の自然歴(UCAS Japan)に関する発表を行った。

未破裂脳動脈瘤は成人の3%強に発見される頻度の高いものであり、自然歴がはっきりしていないので、治療方針をたてるためにこのような大規模な研究が必要であったこと、そして研究内容を概説した。このような世界的に影響力の強い臨床研究を日本から発表できることは稀で、
1)研究者は研究への強い動機付けをもつこと(指導者の役割)
2)前もってしっかり決められた研究計画とプロトコール
3)様々な困難を乗り越える強い胆力
が重要であることを出版への道程を例に説明した。

循環器内科医師 三浦瑞樹

次に、循環器内科医師の三浦瑞樹よりの東京のAMI症例におけるスタチン投与の意義について報告した。食生活の欧米化に伴い、日本でも動脈硬化性疾患が増加している。冠動脈疾患のリスクファクターとして、一般的に高LDLコレステロール(LDL-C)血症をはじめとした、脂質異常症が挙げられる。高LDLコレステロール血症の薬物的治療にスタチンがある。今回我々は急性心筋梗塞患者における入院時血清LDL-C値と院内死亡率との関連について検討した。結果として、LDL-Cが低いほど死亡率が高いという逆説的な結果となった。低栄養、悪性腫瘍等、他疾患合併による低LDL-C血症が高死亡率と関連していると考えられた。また急性期スタチン投与の有無と院内死亡率との関連についても検討した。スタチン投与群で優位に死亡率は低く、低LDL-C群でも同様の結果であった。


レジデント 諸角礼人

最後に、レジデント諸角礼人より原因不明の低血糖症状を呈した症例報告がありました。

症例は経過37年の2型糖尿病に対して2002年よりインスリン導入された82歳女性。

2011年4月から低血糖の頻度が増え6月からは体調不良によるADL の低下を認めた。8月からインスリン中止。入院後Glucoseを24時間持続点滴するも低血糖持続。血糖81mg/dl,Cペプチド0.6ng/ml,インスリン3.5μIU/mlとインスリン分泌は正常であった。またソマトメジンCが<10ng/mlと低値を認めたため成人GH欠損症等の内分泌疾患を疑い精査したが副腎機能含め内分泌系に明らかな異常を認めなかった。腹部造影CTしたところ膵臓下面付近から骨盤内までの後腹膜腔や腸間膜内、子宮広間膜内、膀胱周囲の腹膜外腔に広範に広がる軟部組織を認め、悪性リンパ腫が疑われた。低血糖の原因として悪性リンパ腫による腫瘍性低血糖が考えられた。


横須賀米海軍病院 谷口友理先生

そして、横須賀米海軍病院からは日本人インターンの谷口友理先生より、 神経内科症例の報告がありました。

繰り返す「幻嗅」を主訴に神経内科を受診した50歳代白人男性で、受診 の一年前から幻嗅を自覚していたとのこと。幻嗅以外の症状(自動症や 意識障害、頭痛等)は全く無かったことから単純部分発作を疑い抗てんかん 薬を処方し、更なる検査を行った。頭部MRIにて右側頭葉に2つの 腫瘍を認め、更なる画像診断(MRスペクトロスコピー)の後に低悪性度神経膠腫が疑われた。現在、アメリカ本土の病院にて病変の生検を行う準備をしている。

感覚障害のみで受診される患者の中には、その原因が脳腫瘍の可能性もあるという、貴重で教育的な発表であった。