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セレクトショップオーナー 高橋省吾

高橋省吾

情熱と信頼で紡ぎ続ける7坪弱のセレクトショップ30年来の歴史

 福島市の中心市街地の北側、東西に走るケヤキ並木の新町万世町通りは、別名「STREET GARDEN」と呼ばれるように、道路に面して並ぶ店主や有志らによって自発的に植栽の手入れがなされ、夏至を過ぎたこの時季、紫陽花やマーガレットなどの路地植えの花々が咲き誇っています。
 市民の手によって直接公道の植栽の管理がされる例は全国でも珍しく、北海道の札幌や東京丸の内などに期間限定ではあるものの、通年で植栽の管理がなされている例は、ここ新町万世町通りの「STREET GARDEN」だけとのこと。
 今回「ふくしま人」へご登場を頂いたのは、この通りで30年に渡って洋服のセレクトショップPICK-UP(ピックアップ)を営む高橋省吾さん。福島の地にセレクトショップをオープンし、多くのお客様の信頼を得ながらファッション文化を根付かせてきた高橋さんに、まずここでオープンした経緯からお尋ねをしました。
 「ファッション業界に入る切っ掛けとなった、独立する以前に勤めていたセレクトショップが閉店することになり、そこで学んだアメリカントラディショナルや、ファッションと連動する音楽やアートなどの様々なカルチャーに刺激を受けました。街の中心部から少し離れた現在の場所で、自分が学んだものを繋いで行きたい思いで始めました。資金もありませんでしたから、テントとレジぐらいを買って、什器類は以前のお店で使っていたものを譲り受けました。今でも大事に使っています。オシャレの最先端を行く感覚ではなく、少ない品数でも安心して着られるいいモノを、自分が住む福島でお客様へ提供したい思いが一番でした。」
 地方の中核都市である福島で、30年を掛けてファッション文化を定着させてきた歴史は、高橋さん自らがメーカーを訪ねてモノ作りの拘りや思いを確認し、高橋さん自身の目で確かめてチョイスした、大切に作られた商品を、7坪弱の小さなお店でいつもお客様へ提案し続けてきたことと話し、日本はもとより、カナダ、アメリカ、イギリス、フランス、ベルギー、ドイツ、イタリアなど、3人のスタッフと共に厳選した、国内外約30のブランド・商品を取り揃えています。
 「現在も個人商店のような小さなお店で、姉妹店のレディスセレクトショップBarnS(バーンズ)の2店舗を3人のスタッフと切り盛りしていますが、お取引先様と長いお付き合いをさせて頂いているのは、取引額ではなく、自分やスタッフの情熱をよく理解してくれているからだと思います。そんな姿がお客様へも伝わって、今まで30年間続けられてきたのだと思います。」
 お店と周りの植栽は一体のものと話す高橋さんは、街中活性化事業委員会が立ち上がった4〜5年前から、PICK-UP前の新町万世町通りの植栽を市民自らが管理するよう働きかけ、通り沿いの店主や有志らによって路地植の「STREET GARDEN」を整備してきました。
 「商品の仕入れで上京すると、お店があれば植栽があり、小さなお店の前でも良く手入れがされています。福島の街中を見ていると、花もそうですが緑が足りていません。行政任せではなく、市民自らが魅力的な街作りに参加し、活性化に繋がればいいと思います。課題はありますが、継続していくことで、いいものが出来ていくと思います。」
 福島にセレクトショップをオープンして、30年を掛けてファッション文化を定着させてきた高橋さんが、街の活性化に花で尽力しながら、2011年3月の震災と原発事故後の福島の現状から発した、新たなアクションを引き続きお聞きしました。