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渡部信一郎

渡部信一郎(わたべしんいちろう)

今LaVida(いのち・生活・人生)が添う健康へのケアと子供達へのケア

 家具作りの視点から、住宅作りの領域へと事業を進めてきたラ・ビーダは、名品と呼ばれる普遍の価値を持つ家具とも長く向き合ってきました。家具を使う時間(暮らし)と空間(住まい)が調和することで、豊かな生活へと繋がり、その豊かな生活のためには、豊かな自然との共生が欠かせないこと。この気付きを具現化するうちに、ラ・ビーダは毎日の暮らしの雑貨や衣類、寝具、食品などを扱うようになり、そこから住宅へと拡がったといいます。
 1階のショールームでは、眠りの質に拘って辿り着いたスイス製ベッドや、ポーランド産グース100%の羽毛布団、オーガニックコットンタオルの他、オーガニック食材の販売と合わせて料理教室も定期的に開催され、このセクションを担当する信一郎さんの妹、佐知子さんにお話しを伺うと、
「私は家具屋の娘として育ちましたが、大学入学を機に上京して、自分の置かれた状況を客観的に見ることができ、生活環境が変わることで、人は変わるんだなと思ったことがあります。以前、海外出張で訪れた会社の職場を見た時に、どこのホテルかと見まごうほど、仕事場の環境が整っていました。同じことを家庭で採用すれば快適な生活に繋がると思い、それまでラ・ビーダが扱ってきた家具の他にも、単に眠るだけの道具ではなく、眠りの質を高めるベッドや、それに付帯する寝具、タオル、衣類、食品などを自らが試しながら、お客様へお薦めできる商品を探して集めてきました。毎日の生活を気持ち良く整えるために、お客様へ寄り添えるサービスをご提案できればと思っています。」
眠ること・くつろぐこと・食べること、常に生活の本質へ寄り添う、家具作りと同じ丁寧なサービスでありたいと話します。
 ラ・ビーダでは、日々の暮らしを楽しむ目的で、「お料理教室」「心と体について学ぼう」「親子で楽しもう」のテーマの中からひとつを選び、ラ・ビーダを通して繋がった人達が集い、毎月1回イベントを開催するAMEBA(アメーバ)クラブ※1があります。主催する信一郎さんの奥様友紀さんに、活動の内容をご紹介頂きました。
「“ぶっちぎり”が社長の好きな言葉で、“とことん遊ぼう”、“とことん学ぼう”と、普段なかなか一人ではできないことを、ラ・ビーダを通して繋がった人達と始めました。梅干しを作ったり、畑を借りて自然農法を始めて土の改良をしていましたが、震災と原発事故の後は全くできなくなりました。皆さんがそれぞれに悩み、不安を抱えても話す機会や場所がない状況で、AMEBAができることは、話し合う場所を提供して思いを分かち合うことだと思いました。報道関係者、元医者、学校教師、ベテランママ、独身者など、県内外から沢山の人達がラ・ビーダへ集まり、「くらし」と「いのち」のワークショップを2日間に渡って開きました。また、札幌市の市民支援ネットワーク「むすびば」※2さんと一緒に、福島の子供達を9日間、札幌での冬休み保養キャンプも開きました。」
 家具を作る視点から見えていた、在るべき理想の住宅像、そして生命(いのち)と暮らしをなぞりながらあつらう住宅。家具に始まって心と体ものびやかな日々を送れる豊かな生活の礎となる健康作りと、ラ・ビーダの思いは、更に次代の継承・循環を担う子供達への活動まで繋がっています。

※1:AMEBA(アメーバ)Active Members of Enjoyable Bucchigiri Assosiationの略。
※2:東日本大震災市民支援ネットワーク「むすびば」

取材後記

今回ご登場を頂いたのは、住宅まで作ってしまう郡山市の家具屋さん、La Vida(ラ・ビーダ)の渡部信一郎さん。住宅メーカーが家具を作ることは容易に想像ができても、家具屋さんが住宅を作るとなると、なかなか想像しがたいと思っていたら大間違い。家具も住宅も材料は主に木で、まず木を生む自然と、そこに育まれた風土と先人への畏敬がある。そして家具を起点にした住宅へ至るまでの哲学がある。函を作る人、函へ入れる物を作る人、渡部さんのお話しをお聞きしていると、両方できる人が最強と、実に明確な答えを示して頂いたように思えた取材でした。
La Vida(ラ・ビーダ):福島県郡山市喜久田町堀之内字地田東15-2 http://lavida.co.jp/
Tel : 024-959-3333/Fax : 024-959-3725/営業時間:10:00〜19:00/定休日:水曜日