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CSR現場レポート2

CSR現場レポート2 人と社会のコミュニケーション 不安なときだからこそ、少しでも早く自治体と住民をつなぎたい NTT東日本グループは、数多くの被災地での復旧活動の経験をベースに、生活の再建を円滑に支援するシステムを開発・提供しています。 27日 2016年の台風10号災害で岩手県宮古市が「り災証明書」発行までにかかった日数

「被災者生活再建支援システム」で災害時の自治体をサポートしています

被災者の生活再建の第一歩は「り災証明書」

予期せぬ災害で自宅や店舗が被害を受けたとき、生活再建のために必要なのが、自治体が発行する「り災証明書」です。「り災証明書」は、自治体が被害に遭った建物を公平に調査し、被害の程度を証明するもので、仮設住宅への入居や各種支援金、保険等の申請の際、欠かせない書類となります。被災者にとって「り災証明書」の取得は、生活再建への最初の一歩とも言えます。

ところが現実の被災地では、発行窓口となる役所自体が被災したり、職員も慣れない作業に追われる等の混乱が続き、「り災証明書」の発行には大変な時間と手間を要していました。特に問題だったのは、建物の被害認定調査でした。被害を判定できる調査員が確保できなかったり、確保できても判定結果にばらつきが出たりすることから、被害の認定そのものが遅れ、「り災証明書」の発行に時間がかかったのです。実際、2011年の東日本大震災では、多くの自治体で「り災証明書」の発行が滞り、被災者の生活再建が遅れたことが問題になりました。その結果、2013年には「災害対策基本法」が一部改正され、自治体の迅速な「り災証明書」の交付が義務づけられました

こうした中、NTT東日本グループでも「被災者生活再建支援システム」というクラウド型サービスの提供で、災害時の自治体業務をサポートしています。

※ 「市町村は当該市町村の地域に係る災害が発生した場合において、当該災害の被災者から申請があったときは、遅延なく住家の被害その他当該市長村長が定める種類の被害の状況を調査し、罹災証明書(災害による被害の程度を証明する書面)を交付しなければならない」(災害対策基本法第90条の2)。

災害時の自治体業務全体をマネジメント

2012年に誕生した「被災者生活再建支援システム」は、京都大学防災研究所、新潟大学危機管理室を中心とした研究チームの10年以上にわたる被災地での研究成果と、過去に数多くの被災地で復旧活動等に携わってきたNTTグループの経験をベースに、産学官の連携によって開発されました。

このシステムでは、建物被害を判定する調査員のトレーニングプログラムや、被害の判定基準等を標準化することにより、公正で迅速な建物被害認定を可能にしました。一方で調査票等のデータ管理や、証明書の発行手続き等も統一し、「り災証明書」が被災者の手元に届くまでの一連の流れを効率良くシステム化しています。

他にも、被害状況の一元管理や、避難所や物資の“見える化”、応援職員の派遣や受け入れ等、災害時の自治体業務全体をマネジメントすることで、職員の負担を軽減し、より早くより円滑に被災者の生活再建支援を行うことを目的としています。また、2014年からは小規模な自治体でも導入しやすいクラウドサービスとして提供されていることに加え、2016年から総務省(消防庁)の「緊急防災・減災事業債」の対象にも指定されていることもあり、近年、多くの自治体で導入が検討されています。

岩手県の台風10号災害ではシステムが機能

2016年8月30日、東北地方太平洋沿岸に上陸した台風10号は、岩手県内にかつてない記録的な豪雨をもたらし、河川の決壊や土砂崩れ等、甚大な被害を与えました。

東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県では「被災者生活再建支援システム」をいち早く導入していました。複数の自治体で協力しながら利用できるよう「共同利用型」として県内全域で採用していたため、今回の台風災害でも、被災自治体がスムーズに業務に取り掛かり、「り災証明書」の発行も、宮古市では災害発生27日後の9月26日から、岩泉町では32日後の10月1日からスタートしています。

職員が不眠不休で対応にあたっても、数カ月から半年かかると思われていた「り災証明書」の発行がこれほど早くできたのは、職員一人ひとりの努力はもちろんですが、平時からの「備え」にあったと言えるでしょう。

災害時だからこそ、頼りになるシステムに。NTT東日本グループでは、今後も「被災者生活再建支援システム」がより社会にとって有益なサービスになるよう、取り組み続けます。

被災者生活再建支援システム

外部ステークホルダーの声

岩泉町役場
総務課

佐々木 久幸 さま

「被災者生活再建支援システム」導入で早期に生活を再建

私は防災担当として、「り災証明書」発行に関する業務を長く行っています。東日本大震災では、「り災証明書」の申請から発行までを手書き対応していたことから、岩泉町は早い段階から独自のデータベースシステムを構築していました。それにもかかわらず、NTT東日本の「被災者生活再建支援システム」を採用したのは、このシステムに備わる他の自治体との情報共有・連携機能を重要視したからです。おかげで、台風10号のときには、効率的かつ迅速に「り災証明書」を発行し、被災者の方々の一日も早い生活再建に貢献できました。岩手県庁のサーバーに直接アクセスするしくみなので、町内5つの支所でも発行が可能となり、人と世帯と家等の建物の情報を紐づけて管理できる点で、作業負荷を大きく削減できました。

今後は調査から「り災証明書」発行までのシステム一括運用をめざし、いざというときのために備えていきます。

社員の声:つなぐ力

NTT東日本-南関東
ビジネスイノベーション本部
テクニカルソリューション部
第四プロジェクトエンジニアグループ 第二担当

加藤 佑介

未知の災害に立ち向かう取りこぼしのない、被災者支援をめざして

東日本大震災から4年後の2015年に岩手県内自治体さまへ導入することになりました。私は熊本地震の被災地支援にも携わっており、今回で被災地対応は2回目となりました。

数週間と短い間でしたが、被災地に「慣れ」という言葉は存在せず、あらためて災害の怖さを痛感しました。現場では、現地自治体職員、県内自治体からの応援職員ボランティアの方々が気持ちを1つにして1日も早い復興をめざして活動をしており、私もその一員として貢献することができました。災害現場でこのシステムが職員の皆さまの負担を軽減していることは言うまでもありません。

しかし、被災者の生活再建や被災者の心のケア等、本当の復興までには、長い期間が必要になります。

今後も、日本各地で発生する災害に対して、強い気持ちを持って取り組み、本システムを活用して貢献していきたいと考えています。

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