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- 第5回
あなたの話は相手に伝わっていますか?このコラムでは全12回の講座を通じて、ビジネスシーンで役立つ「伝わる話し方」を学びます。第5回は、話をできる限り「具体的に」語る大切さとテクニックを紹介致します。
どちらの話し方が、より興味を惹きますか?
たった一言で、本当に伝わるのか?
私が研修や個別指導の中でよく伝えることがあります。「サラリと伝えるだけで、相手が理解したと思わないでください」ということ。たとえば、上のイラストをご覧ください。左の上司は「キミのためになる」の一言で部下がわかってくれると思っている。一方、右の上司はその一言だけでは不十分だと理解しているので、あらゆる表現・様々な具体例性で「だから、キミのためになる」ということを伝えようとしています。
もし、聞き手の部下がとても理解力が高く、想像力が豊かで、一を聞けば十を知るような優秀な人材だったとしたら、左の上司のような一言だけでも足りるのかもしれません。しかし、あなたの周りの聞き手が全て、そうとは限りません。
右の上司は、部下に「なぜ、この仕事が自分のためになるのか?」を明快に伝えるために、より具体的な言葉を多数使っています。それによって聞き手の想像力に左右されず、相手に正確にイメージを伝えることができるわけですね。
まとめると、トークはつまらなくなる
左の上司のように、シンプルすぎる表現にしてしまうのは、頭の良い人に多い特徴です。というのも、本人が一を聞けば十を知るようなタイプだから、要点だけを言えば全て伝わると考えてしまう。たしかに、シンプルに抽象的に表現することにも、メリットがあります。メリットはズバリ、短い時間で伝えられるということ。効率を求めてシンプルな表現にする。しかし、伝わらなければ、逆にデメリットとなってしまうかもしれませんね。
シンプル・抽象的な表現には、もうひとつデメリットがあります。それは、話がつまらなくなるということです。具体的な話は面白く、抽象的な話はつまらない。たとえば、15年ほど前に『タイタニック』という映画がありました。貧しい青年ジャックが、タイタニック号で令嬢ローズに出会い、二人は恋をする。そんな中で起こる沈没事故。ご覧になった方にはわかると思いますが、ピンチの連続、その渦中で愛する二人が懸命に互いを守りながら、生きようとする。
この話を一言でまとめたら「船が沈む映画」です。何の面白みも伝わらない。言葉をシンプルにすることで、「熱」が失われてしまうのです。
事例・具体例で話そう
では、具体的に明快に語るにはどうすればよいのか?その問いに答えるにあたり、私がクライアントへの提案営業においてよく使うセリフをご紹介します。「それでは、その点については私どもがこれまでにお手伝いしてきたクライアント企業の例を用いて、どういう価値があるのかをお伝えしますね」という表現。一言で言うと、「今から事例を使って話しますよ」という宣言です。
話を具体化して話すテクニックは多数ありますが、一番使いやすく、かつ効果的なのは、事例・エピソードを用いて話すということです。たとえば、あなたが営業で、お客様に商品説明をする時、他社の導入事例を明快に語ってそのお客様にアピールしたいポイントを伝えるとしたら、どのお客様の事例をお話ししますか?たとえば、あなたが上司として部下の働き方について叱らなければならないとき、自分自身のどんなエピソードを添えて話すと、部下の心に響く、つまり、単に叱られた、と思うのではなくモチベーションにつながるでしょうか?
そんなことを考えて、相手へのメッセージを作り込んでみてください。
プレゼンはライブであると心得ましょう。キーは「意外性」です。
- Point7:話し方の基本フォーマットをマスターせよ
- Point8:プレゼンで最も起こってはいけないこと
- Point9:臆病ものが勝つ話し方の技術


- マーキュリッチ株式会社取締役、プレゼンテーションコンサルタント・プロフェッショナル研究家。プレゼンテーションやスピーチにおける影響力向上をテーマに、企業役員への個別指導や、企業研修でのグループ指導をおこなう。これまでの指導実績は10000人を越える。著書に「営業力UPのプレゼン術(日本能率協会マネジメントセンター)」があり、ビジネス誌での連載・新聞・雑誌などでも活動中。







