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あなたの話は相手に伝わっていますか?このコラムでは全12回の講座を通じて、ビジネスシーンで役立つ「伝わる話し方」を学びます。第2回は、自分の理想の話し方を身につける一番の近道を学びましょう。
どちらの話し方が、より興味を惹きますか?
うまく話すためには、「うまく話さなくては」と考えてはいけない
この講座をご覧のあなたは、きっと「もっとうまく話せるようになりたい」とお考えのことでしょう。そんな熱意のあるあなただからこそ、ハマってしまいがちな罠があります。それは「うまく話さなくては!」と考えてしまうことです。こういうと「えっ、うまく話したいんだから、うまく話さなくてはと考えるのは当然だろう。何が悪いのか?」と感じますよね。
なぞかけのように聞こえるかもしれませんが、そんな難しい話ではありません。「うまく話さなくては」と考えても、それだけではあまりに抽象的すぎて、努力しようにも方向性が定まらないのです。例えるならば、旅行に行くのに「どこか楽しいところに行きたい」とだけ考えて、行き先も決めず電車に乗ってしまうようなものです。旅行で「楽しいところ」に行こうとしたら、行き先を決めますよね。同じように、自分にとっての「うまく話す」とは、どんな状態を指すのか、を明確にしなければならないのです。
オススメは「誰みたいな話し方がしたいか?」と考えること
自分にとっての「うまく話す」を明確化するためには、出したい印象のキーワードを考えることから始めてはいかがでしょうか? 例えば、誠実そうな感じ。あとは、知的でシャープな印象、熱血でパワフルな印象、など人によってシーンによって、「うまく話す」の言葉の中にある”目指したいイメージ”は違うものです。少し別の表現を使うならば、「あなたのプレゼンを聴いた人から『この人って、◯◯な感じの人だなぁ』の◯◯に、どんな言葉を入れたいですか?」という問いに答えてみることです。
「そうか、じゃあ私は誠実そうな印象を出したい、と意識して話せばいいんだな」そのとおりです。でも、それだけではまだ不十分です。ここで止まってしまうと、方向性は見えたものの、まだ抽象的で「誠実そう」の具体的なイメージが見えないからです。
ではどうすればよいのか?ここまで述べたことに、そのヒントは隠れています。実は、出したい印象を明確にするためには「◯◯さんのような話し方をしたい」と、具体的な「人」をイメージすると良いのです。芸能人でも、身近にいる優れたプレゼンターでも、誰でも結構です。あなたが「この人のようなプレゼンができれば」と思う人を一人挙げて、実際にその人の話し方を『モノマネ』してみることです。これが、自分の出したい印象を実現する、一番の近道です。
考えてみよう「鶴瓶さんのような話し方」
上のイラストをご覧ください。左の絵は、ただ漠然と「うまく話そう」とだけ考えて話し始めた人。何に気をつけるべきかが見えず、ただ焦りばかりが先に立ってしまっています。右の絵は「笑福亭鶴瓶さんのように、朗らかに・会場全体を包み込むようなイメージで」と意識している話し手。
鶴瓶さんのモノマネをして話してみると、自然と話すスピードはゆっくりになり、言葉には抑揚がつきます。感情を込める部分は大げさに語るようになり、それが、重要箇所の印象を強く残してくれる。鶴瓶さんですから、笑顔にもなり、ボディランゲージも自然と大きくなる。もしこれが、「スピードはゆっくり、言葉には抑揚をつけて、笑顔にも気をつけて、ボディランゲージも大きく」などと考えながらプレゼンしたとすると、気をつけるべきポイントが多すぎて、かえって混乱してしまうことでしょう。
私自身の場合
実はこの方法、私が企業のトップ向けにプレゼンの個別トレーニングを行う際に必ず行う、とっておきの方法で、私自身もプレゼンのトレーニングを行う際にやってきたことでもあります。ちなみに、執筆者の私が誰をイメージしてきたのかといえば・・・。本当は恥ずかしいので言いたくないのですが、一人は前回の講座で出てきた古畑任三郎。もう一人は東北楽天ゴールデンイーグルスの監督である星野仙一さん。ちなみに、なぜこの二人が私にとってのモデルになったのかというと、当時の私にとっての出したい印象が「ミステリアス」と「懐の深さ」と「垣間見える愛嬌」だったからです。古畑任三郎の生活感のなさがミステリアスで魅力を感じましたし、ユーモア(≒愛嬌)も感じます。星野監督の話し方に魅力を感じたのは「懐の深さ」でした。あと数名いますが、ここまでにしておきましょう
最後に、ひとつだけ注意点を申し上げて今回の講座を終了にしましょう。具体的な人をイメージしたら、思い切りモノマネするつもりで、日常にその人の話し方を取り入れてみてください。「そんなことして、変に思われないか?モノマネしていると相手にばれないか?」と危惧されるかもしれませんが、そんな心配はご無用。モノマネのプロでもなければ、そうそう似せることはできません。結果としてモノマネには思われないし、あなたがそもそも持っている話し方と良いバランスでブレンドされて、素敵なオリジナリティあふれる話し方に仕上がるはずです。
「ぱっと見た感じ」で聞き手を味方にする、具体的なボディランゲージやアイコンタクトの方法をご紹介致します。
- Point4:あなたが話したいことなんて、誰も聞かない
- Point5:頭の良い人ほど、話がつまらなくなるワケ
- Point6:聞き手を退屈させない話し方のポイント


- マーキュリッチ株式会社取締役、プレゼンテーションコンサルタント・プロフェッショナル研究家。プレゼンテーションやスピーチにおける影響力向上をテーマに、企業役員への個別指導や、企業研修でのグループ指導をおこなう。これまでの指導実績は10000人を越える。著書に「営業力UPのプレゼン術(日本能率協会マネジメントセンター)」があり、ビジネス誌での連載・新聞・雑誌などでも活動中。





