法人のお客さま


ホーム > 法人のお客さま > 導入事例 > 福島県楢葉町様


福島県楢葉町様

全世帯にタブレット端末を配布して情報を配信
町の新生を目指す“きずな”を確かなものに

福島県楢葉町様

導入の背景

県内外に避難している全世帯にタブレット端末を配布し、町からの情報配信を行うことで、行政と町民とのきずなを深めつつ、ICTを活用した復興・再生の町づくりを推進したいと考えた。

選定のポイント

  • 簡単な操作で情報が入手できるタブレット端末の利便性
  • インターネット接続やアンケートが手軽に行える機能性
  • 町とともに復興に取り組んできたNTT東日本に対する信頼

期待される効果

  • 迅速な情報配信や手軽にネット検索できる環境の整備
  • 遠く離れて住む住民と町の意識共有、きずなの醸成
  • 新たな町の復興・再生に向けた住民のITスキル向上

選定ソリューション

震災直後から正確かつ迅速な情報提供手段の確保が急務に

福島県東部の太平洋に面した浜通り地方のほぼ中央に位置する楢葉町。東日本大震災の影響による東京電力福島第一原発事故の発生直後から、すべての町民は町外への避難を余儀なくされました。震災から1年を経た2012年8月には避難指示解除準備区域に再編され、制限付きながら町に立ち入ることができるようになるとともに、除染作業や町道・下水道などのインフラ整備・復旧が始まりました。すべての作業が完了する予定の2014年に向けて、以前の暮らしを取り戻すべく、町の再生を目指す取り組みが進められています。

震災、及び原発事故発生直後は、さまざまな情報が錯綜し、町民の不安も募る中で、町からの迅速かつ正確な情報を求める声は日増しに高まり、いわき市に出張所を開設して役場機能が復活した後も、県内外に避難した住民に行政情報を届ける手段は、町のホームページや郵送による広報紙の配布に限られていました。そのため、高齢者をはじめインターネットを利用できない住民の多くは、依然として町からの情報をタイムリーに入手することができないといった課題が生じました。

そこで、行政情報の迅速な伝達や、町民との双方向のやりとりを実現すべく、町が注目したのがICTの利活用でした。誰でも手軽に操作することができる端末を各世帯に配布することで、町からの情報を迅速に届けるとともに、町民自らインターネットにアクセスして、生活に必要な情報を入手してほしい、また遠く離れて暮らす町民とも気軽にやりとりできるようにしたいと、町では考えました。

そうした中、2012年8月に「ICT 地域のきずな再生・強化事業」(総務省)の公募がありました。「東日本大震災の影響により避難を余儀なくされた避難住民と避難元市町村とのきずなの維持および一体感の醸成」という事業の主旨が、町の思いと合致していたため、町は公募への申請を行い、同年11月に事業対象自治体として採択されました。そして2013年4月の開始を目標に、「楢葉町きずな再生電子回覧板事業」と名付けられた同事業を、町とともに実施することを任されたのが、NTT東日本でした。

情報配信の実証実験でタブレット端末の便利さを実感

NTT東日本では、これまでも楢葉町において、IRU(*1)方式による光ブロードバンド基盤の整備を行ったほか、町民を集めてインターネット体験会を開催するなど、町の情報化に向けた取り組みに携わってきたほか、東日本大震災発生後は、役場機能の幾度の移転を経て現在のいわき出張所の開設に至るまで、町の通信環境の復旧・整備に尽力してきました。出張所が福島県会津美里町に一時開設された際も、福島支店の担当者は半年近く現地に常駐して、通信環境の整備を全面的にサポート。そうした中で、全国に避難した住民に町からの情報を伝えきれない状況や、職員の方々のもどかしさを痛感する一方で、仮設住宅の住民からも「町からの情報を早く届けてほしい」といった声を耳にしてきました。

そこでNTT東日本では、2011年7月に町からの緊急情報を電話やメール、ファクスなど、さまざまなメディアに送信できる環境をご提案。構築を経て12月から運用を開始し、さらに2012年1月には、避難自治体を対象とした情報配信の実証実験として、タブレット端末「光iフレーム2」を会津美里町内約200世帯の仮設住宅に貸与し、町からのお知らせや地域情報、天気予報やニュースの配信、およびインターネットの利用が可能な環境を整備して、タブレット端末の有効性の検証などを行いました。導入に際しては住民への操作説明会を繰り返し行うことで、より多くの住民に端末に慣れ親しみ、気軽に使ってもらえることを目指しました。

タブレット端末を用いた会津美里町での実証実験に携わったNTT東日本の担当者は、「町では以前から、町民がICTを活用して自由に情報を入手できる環境の整備を目指しており、手軽に操作できるタブレット端末はそうした町の思いに合致するものでした。定期的に開催する説明会などでの町民からの反響も大きく、利用者が本当に求めているものを提供することの大切さを肌で感じる貴重な機会になりました」と振り返ります。

このような復旧・復興に向けた町の取り組みに継続的に携わらせていただいたNTT東日本は、今回の「楢葉町きずな再生電子回覧板事業」の実施事業者として、町と共同で、町民への新たな情報配信環境の整備に取り組むことになったのです。

  • *1:IRU方式とは、他者が保有する光ファイバー等についてIRU(Indefeasible Right of User:関係当事者の合意がなければ、破棄または終了ができない回線使用権)の設定を受け、伝送路設備として借りる方式をいいます。

「楢葉町きずな再生電子回覧板事業」システム構成図 「楢葉町きずな再生電子回覧板事業」システム構成図

全世帯にタブレット端末を配布して、仮設住宅にWi-Fi環境を整備

「楢葉町きずな再生電子回覧板事業」は、いわき市内10カ所の仮設住宅をはじめ、県内外に避難している全世帯に情報端末を配布して、町からの情報を配信したり、双方向のやりとりを行ったりすることで、遠く離れた町民と町とのきずなを維持・再生することを目的としています。

情報端末としては、会津美里町での使用実績を踏まえて、手軽に操作できるタブレット型を想定しつつ、避難先の通信状況を考慮してWi-Fiと3G回線のどちらでも通信可能な端末を最終的に採用しました。インターネット利用について高い安全性が求められることから、より強固なフィルタリングが設定できるプロバイダーを選定。さらに、全町民の約7割が居住するいわき市の仮設住宅には、新たに独自のWi-Fi環境を構築することで、仮設住宅周辺に通信負荷をかけない環境を整備することとしました。

ホーム画面 ホーム画面

機能(1)インターネット接続 機能(1)インターネット接続

機能(2)ライブカメラ 機能(2)ライブカメラ

タブレット端末で実現する機能については、町とNTT東日本が共同で検討を重ねました。その結果、町からのお知らせやイベント情報を配信する「電子回覧板」機能をはじめ、住民の意見を手軽に集計できる「アンケート」機能、特定の個人やグループとやりとりできる「ふれあい通信」機能、町のブログの閲覧やネット検索が行える「インターネット接続」機能、町の様子をリアルタイムに見ることができる「ライブカメラ」機能、各地区の放射線情報が分かる「放射線量」機能を搭載することとしました。

これら機能の中でも、町の強い要望で実現したのが、インターネット接続機能です。町から届く情報に加えて、ネット検索などを通じて、町民が自ら情報を取得できるようになってほしいと町では考えたからです。こうして、フィルタリングで安全性を確保しつつ、さまざまな情報を手軽に入手できるインターネットアクセス環境を整備しました。

一方、町からの情報提供の一環として取り組んでいるのが、「こころ、つなぐ、ならは新規ウィンドウで開く」というブログ。被災直後に町民有志が立ち上げ、町の最新動向を写真とともに紹介する会津美里町仮設住宅でのブログが好評だったことから、その後、町と公益財団法人助けあいジャパンの協力を得ながら情報を定期的に更新できる環境を整備。町民の明るく元気な姿や町の現在の様子を文字と写真でタイムリーに伝えるなど、町民とのきずなを深めるために役立てています。

操作説明会は盛況、今後の機能拡充への期待も高まる

「楢葉町きずな再生電子回覧板事業」の構築作業に着手したのは、2012年11月中旬。県内外に避難した約3,900世帯の町民を対象にタブレット端末の配布を開始するとともに、いわき市内の仮設住宅の全10カ所にWi-Fiアクセスポイントを設置。こうして2013年4月に事業はスタートしました。

事業開始に合わせて、いわき市内の仮設住宅や郡山市、福島市の文化センターにおいて、NTT東日本の担当者も参加したタブレット端末の操作説明会を約20回にわたり開催しました。多い時では一度に70~80名の町民が集まるなど、説明会は大盛況。参加した町民からは「実際に触ってみたら簡単に操作できて楽しい」「届いた情報も一覧表示されるので見逃さなくて安心」「インターネットは前から利用してみたかった、ネット検索は便利」といった意見が寄せられました。

説明会(1)

説明会(1)

操作説明会の様子

端末は希望した世帯に配布されますが、事業開始から約1カ月で8割近い世帯から利用申請があり、稼働率も6割を超えるなど町民の関心も高く、利用拡大が期待できます。多くの方に利用していただけるよう、楢葉町ではNPOの協力を得て出張所内に専用コールセンターを設置して、役場担当職員が不在でも町民からの問い合わせに迅速に対応できる体制も整えています。

機能(3)ふれあい通信(双方向の仕組み) 機能(3)ふれあい通信
(双方向の仕組み)

本事業においては今後、操作説明会の開催や個別訪問などを通じて町民のスキルアップをサポートすると同時に、ブログのコンテンツ充実も図るなど、タブレット端末のさらなる活用を目指していくといいます。また、防災システムと連動して緊急地震速報などをより迅速に配信できる仕組みや、「ふれあい通信」機能により独居高齢者に声がけを行うことで見守りに役立てるなど、さらなる機能の拡充も進めていきます。

「システム構築に当たっては、例えば画面に表示されるボタンの色を決めるために町の担当者と協議を重ねるなど、使い勝手の良さを追求しました。操作説明会では、新しいことを学ぼうという町民皆さまの前向きな姿勢に、私たちのほうが元気づけられました。今回の事業が町と町民とのきずなをつなぐとともに、システムの利用を通じて町民の方のITスキルが高まり、新しい一歩を自ら踏み出すきっかけになることを願っています」と、NTT東日本の担当者も語ります。

また、町内の除染やインフラ整備・復旧作業が完了する2014年以降を目指して、町の再生に全力で取り組んでいる楢葉町。多くの町民が今なお不自由な避難生活を余儀なくされている中で、タブレット端末を用いた町と町民の活発なやりとりは、新たなきずな、新たな町の誕生を予感させるものです。
「NTT東日本はこれからも、地域に寄り添う身近なICTソリューションパートナーとして、お客さまのお求めになっているものを肌で感じながら、そして、新たな課題が見えた時にはお客さまと一緒に考えながら、復興に尽力する楢葉町様と共に取り組んでいきます。」
それがNTT東日本の営業担当者からシステム担当まで一丸となった決意です。

NTT東日本 福島支店 法人営業部 いわき法人営業担当 太田 智
NTT東日本 福島支店
法人営業部
いわき法人営業担当
太田 智

NTT東日本 福島支店 法人営業部 いわき法人営業担当 松原 諒
NTT東日本 福島支店
法人営業部
いわき法人営業担当
松原 諒

  • 文中記載の会社名および製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
  • 文中記載の組織名・所属・役職・サービス名などはすべて2013年5月時点のものです。

関連導入事例
埼玉県富士見市様
【安全性と利便性を両立した校務環境のシンクライアント化】
シンクライアントシステムをデータセンターに構築し、学校や自宅から安全・快適に利用できる環境を整備
青森県蓬田村様
【ICTの活用で子どもたちの意欲を引き出す環境を整備】
教育現場が求めるICT環境の具現化や実践的な研修など、授業支援アプリケーションの導入から活用までをサポート


福島県 環境創造センター様
来訪者へのWi-Fiサービスと大規模会議でのスムーズなネットワーク利用環境を整備。
秋田市役所様
最新鋭のICT環境を備えた「災害対策本部室」を新庁舎に設置、
迅速な状況判断や被災者支援をめざす
茨城県五霞町様
PC教室のサーバーをクラウド移行し信頼性を向上
タブレットPCや電子黒板を活用し協働学習を実践
秋田県町村電算システム共同事業組合様
県内12町村の行政情報システムを共同化してクラウドへ移行
運用コストの軽減と住民サービスの向上を目指す
「公共・自治体」の導入事例をすべて見る