法人のお客さま


ホーム > 法人のお客さま > 導入事例 > 福島県大熊町様


福島県大熊町様

システムを預けデータを端末に残さない
シンクライアントシステムで安心と便利を両立。

福島県大熊町様

導入の背景

震災直後から一時移転を余儀なくされた役場の機能を復旧するとともに、他の避難先拠点や今後の役場の再移転も視野に入れた、信頼性が高くかつ柔軟なシステム環境を確保したいと考えた。

選定のポイント

  • 利便性と信頼性を両立するシンクライアントシステム(*1)
  • 地域イントラネット構築と安定運用を手がけてきた信頼と実績
  • 地域に根ざして、迅速な対応が期待できる運用保守体制
  • *1:サーバー側でアプリケーションなどを管理し、クライアント端末は最低限の機能のみを持ち、クライアント端末からサーバーのアプリケーションなどにアクセスし操作を行うシステム。

期待される効果

  • 役場機能の効率化・迅速化による、住民サービスの維持・向上
  • シンクライアント端末利用によるセキュリティー向上・端末の一元管理
  • 信頼性の高いNTT東日本の通信設備ビル活用による、重要データの保護

選定ソリューション

全町民の避難を余儀なくされ、情報システム復旧が急務に

福島県双葉郡大熊町(以下、大熊町)は、福島第一原子力発電所(東京電力)の1号機から4号機が立地し、2011年3月11日の東日本大震災の発生直後から、全町民の移動・避難を余儀なくされました。3月12日に田村市総合体育館に多くの町民が移動・避難し、4月3日には会津若松市へと再び移動した後、同月5日には、復旧・復興の拠点となる大熊町役場会津若松出張所(以下、大熊町仮役場)を開設。厳しい現況から1日も早く復興できるよう、職員と町民が力を合わせて不断の努力を続けています。

会津若松市において役場機能が復旧した後、最初に取り組んだのが、全町民の安否や所在の確認でした。半数以上の町民は、役場とともに会津若松市に移動・避難してきましたが、近隣のいわき市をはじめ、親類縁者を頼って全国各地に避難した町民も多かったことから、町では職員総出で町民の所在を確認する作業に追われました。

そうした町民の安否・所在確認に加え、各種証明書の受付・発行などの膨大な業務が発生。職員はまさに不眠不休の態勢で、町民からの要望に応えてきたといいます。しかし、震災直後に大熊町から持ち出すことのできたパソコンは数も少なく、膨大な業務に対応するためにはパソコンや通信ネットワーク環境が必須だったことから、情報システムの復旧が急務となっていました。

そんな大熊町仮役場の情報システムの復旧に寄与したのが、NTT東日本の通信設備ビルと、シンクライアントシステムの活用でした。

大震災の発生直前に本格稼働したシンクライアントシステム

会津若松市の大熊町仮役場に導入したシンクライアントシステムは、震災以前に大熊町役場において稼働していたシステムでした。2003年度に町が整備した地域イントラネット基盤施設整備事業と同時期に導入したパソコンが更改時期を迎え、かつ役場内には基幹系・情報系の2系統の情報システムが存在するため、職員のデスク上で複数の端末が稼働する状況だったことから、業務の効率化やコスト削減の観点から、早急な改善が求められていたといいます。

NTT東日本 福島支店 法人営業部 いわき法人営業担当 太田 智

NTT東日本 福島支店
法人営業部
いわき法人営業担当
太田 智

そこで、1台の端末で2つのシステムにアクセスできる環境を用意して端末の集約を図るとともに、情報流出を防ぎ、端末管理の一元化・簡素化を図るべく町が注目したのが、データやアプリケーションをサーバー側で一括管理するシンクライアントシステムの導入でした。町では、地域イントラネットの構築・運用を手がけてきたNTT東日本の提案したシンクライアントシステムの導入を決定。端末を再起動させることなく、同じ画面で基幹系・情報系の両システムにセキュリティーを保ちつつシームレスにアクセスできるなど、使い勝手や信頼性の面でも高い評価を得ました。

システム導入を手がけたNTT東日本 福島支店 法人営業部の太田は、システム導入当時を次のように振り返ります。「2010年12月に新しい端末を役場内に設置した後、準備期間を経て、2011年の3月から新システムへの移行を図る予定でした。実際に利用する職員とアプリケーションの選定に協議を重ねたり、当初は処理速度が思うように上がらなかったことから検証を繰り返したりと、さまざまな課題をクリアする必要がありましたが、お客さまの協力を得て、ご要望に応えるシンクライアント環境を整備できました」

そうして新たなシンクライアントシステムが本格稼働を始め、職員もシステムを快適に利用できるようになった矢先に、東日本大震災に見舞われたのです。

大熊町からサーバーやシンクライアント端末を搬出

会津若松市に開設した大熊町仮役場において、シンクライアントシステムを復旧させるためには、大熊町の現地庁舎から、データやアプリケーションが保存されているサーバーや、端末を搬出する必要がありました。

そこで、2011年6月に大熊町への一時立入りが許可された際に、大熊町のご担当者様と機器搬出を手がけるベンダーとともに、NTT東日本のスタッフも大熊町に入り、機器の取り外しなど専門知識を要するサーバールームの搬出作業の陣頭指揮を任されることとなりました。

搬出作業を担当したNTT東日本のスタッフは、当時の状況を次のように振り返ります。「作業場所の放射線量に応じてどのような作業を実施するかといった、具体的な作業方針を事前に決めた上で、全身を防護スーツに包んでマスクを装着し、現地入りしました。地震直後そのままの状態の役場内は足の踏み場もなく、サーバールームのラックは傾き、機器類も飛び出しかけている状況でしたが、特に大きく破損している機器はありませんでした。放射線量を計測した上で、安全な機器についてはケーブル類を取り外し、識別用のラベルを貼るなどの作業を実施した後、機器を梱包して搬出しました。ただし、キーボードやマウスは線量が高いことから、破損はないものの搬出は断念しました」

2時間という限られた時間の中で協力し合い作業を進めたことにより、基幹系・情報系のサーバーとシンクライアントシステムのサーバー、および約80台の端末を持ち出すことに成功しました。

大熊町から運び出したサーバーは、ホコリを除去し、表面を拭き取るなどの除染作業を行って安全を確認した後、NTT東日本の通信設備ビルに運ばれ、耐震機能を備えたラックに設置しました。従来は役場内にサーバールームを設けていたのですが、会津若松市の大熊町仮役場は手狭で専用のサーバールームを設けるのが困難であり、電気容量にも限りがあったためです。こうして、光ネットワーク経由でNTT東日本の通信設備ビル内にあるサーバー上のデータやアプリケーションを利用するという形で、シンクライアントシステムを復旧することとなりました。

データ集約や端末管理が容易なシンクライアントシステムを再構築

シンクライアント端末利用シーン

シンクライアント端末利用シーン

シンクライアント環境は、2011年の秋ごろにようやく完成し、大熊町仮役場での情報システムの復旧を図ることができました。会津若松市に加えて、いわき市など複数拠点から情報システムにアクセスすることが可能であり、離れて暮らす町民にも同じように住民サービスを提供できる環境が整いました。

これにより、さまざまな業務に情報システムをフル活用できるようになり、業務の効率化と町民への迅速な対応が可能になりました。サーバー以外にデータを残さない・データを持ち出せないシンクライアントシステムの仕組みにより、高いセキュリティーを確保できています。

システム復旧に向けた取り組みについて、太田は次のように語ります。「NTT東日本は、震災発生直後から東京のビジネス&オフィス事業推進本部と合同で、被災地にスタッフを派遣するなど、グループを挙げて被災状況の確認や通信の復旧に注力してきました。福島県内でも、通信設備の復旧などに全力で取り組みました。」

高い信頼性と自由度のシステム環境を再構築した大熊町。今後の復旧・復興の取り組みの中で、役場機能の再移転の可能性も含め、考えうるさまざまな状況の変化に柔軟に応えるシステム環境を整備できました。また、引き続きシンクライアントシステムについても更改を図り、より使いやすい環境を目指すとしています。NTT東日本も、大熊町からのさまざまな要望に応え、より良い住民サービスの提供に役立つソリューションを提供していきたいと考えています。

復旧後のシンクライアントシステム構成

復旧後のシンクライアントシステム構成
  • 文中記載の会社名および製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
  • 文中記載の組織名・所属・役職・サービス名などはすべて2012年1月時点のものです。

関連導入事例
埼玉県富士見市様
【安全性と利便性を両立した校務環境のシンクライアント化】
シンクライアントシステムをデータセンターに構築し、学校や自宅から安全・快適に利用できる環境を整備
青森県蓬田村様
【ICTの活用で子どもたちの意欲を引き出す環境を整備】
教育現場が求めるICT環境の具現化や実践的な研修など、授業支援アプリケーションの導入から活用までをサポート


福島県 環境創造センター様
来訪者へのWi-Fiサービスと大規模会議でのスムーズなネットワーク利用環境を整備。
秋田市役所様
最新鋭のICT環境を備えた「災害対策本部室」を新庁舎に設置、
迅速な状況判断や被災者支援をめざす
茨城県五霞町様
PC教室のサーバーをクラウド移行し信頼性を向上
タブレットPCや電子黒板を活用し協働学習を実践
秋田県町村電算システム共同事業組合様
県内12町村の行政情報システムを共同化してクラウドへ移行
運用コストの軽減と住民サービスの向上を目指す
「公共・自治体」の導入事例をすべて見る