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国立大学法人 東京工業大学様

最新技術による無線LANシステムを2つのキャンパスに短期間で構築
利便性と信頼性の両立も実現

東京工業大学様

導入の背景

無線LANシステムの更改を機に、将来の利用像を見据えた高速ワイヤレス環境を整備、利便性向上と高速大容量化を図りたいと考えた。

選定のポイント

  • 高速ワイヤレス環境を実現するIEEE 802.11nの無線LANシステム
  • 運用業務の自動化を実現する無線LANコントローラの集中管理機能
  • キャンパス内のネットワークの運用保守を手がけてきた信頼と実績

期待される効果

  • 2キャンパスで600近いアクセスポイントの導入による利便性向上
  • コントローラの集中管理機能による運用保守の効率化、コスト低減
  • 高いユーザー収容能力と柔軟な通信制御機能を生かして学内外の利用者に無線LANサービスを提供

選定ソリューション

ワイヤレス端末の普及に伴い期待の高まる無線LAN環境

2011年に創立130年を迎えるわが国最大の理工学系大学、東京工業大学(以下、東工大)様。理学・工学・生命理工学の3つの学部、生命理工学や情報理工学などの6つの大学院研究科、5つの研究所に加えて、数多くの研究教育施設・センターを有しています。広大な敷地を有する大岡山・すずかけ台の両キャンパスでは、2005年、学生や教職員向けに「東工大キャンパス公衆ネットワーク(東工大無線LAN)」を構築、学生食堂や屋外のウッドデッキなどのパブリックスペースを中心に無線LANのアクセスポイントを設置して、インターネットにアクセスできるワイヤレス環境を提供してきました。

東工大では、電子メールのような基本的なサービスはもちろん、講義資料の入手や履修科目管理、研究業績登録から予算事務手続きに至るまで、大学で活動するうえで必要な手続きの多くが電子化され、有線・無線を問わずキャンパスネットワーク越しに利用できる状態になっています。広大なキャンパスのどこからでもアクセスポイントを介して必要な情報にアクセスできる無線LANシステムは、ネットワーク環境の整備された研究室にまだ所属していない学部学生にとっては特に重要ですし、その他の学生・教職員にとっても簡便なネットワークアクセス手段として頻繁に利用されています。

このように無線LANがキャンパスライフに欠かせない存在となっている東工大では、既存システムが更改時期を迎えるのを機に、最新無線LAN技術を積極的に取り込みつつ、将来の利用像を見据えた新たな無線LANシステムを導入することにしました。具体的には、急速に普及が進むワイヤレス端末をより手軽に利用できること、そして運用コストも抑えつつも無線ネットワークに対する多様な要求に応えられる無線LAN環境を整備することが、特に重視すべき点として挙げられました。そして、そのシステム更改を支えるビジネスパートナーとしての役割を果たしたのが、NTT東日本でした。

広大な2つのキャンパスの無線LANシステムを一元化

東工大の既存の無線LANシステムは基本的には順調に稼働していたものの、将来継続して運用することに少なからず不安があったと言います。近年のワイヤレス端末の普及とともに、無線LANの利用頻度が急速に高まる中で、例えば、講義の開始直後に学生が大容量の講義資料のダウンロードを一斉に行ったり、映像コンテンツがストリーミングによって配信されたりといった、トラフィックの集中する機会が増加。今後の通信負荷の拡大やトラフィック特性の変化にも柔軟に対応しつつ、十分なユーザー収容能力を持った高信頼な無線LAN環境を整備することが必要であると、運用者の間ではコンセンサスがとられていました。

そこで、キャンパスの情報基盤の構築・運用を手がける東京工業大学学術国際情報センターでは、新たな無線LAN規格として、一般向けに対応機器が販売されている規格では最速で、対応機種の幅も順調に広がりつつあったIEEE 802.11n(通称:11n)の導入を検討するとともに、これまで個別に運用してきた大岡山とすずかけ台の両キャンパスの無線LANシステムを同時に更改し、運用管理を一元化して運用コストの軽減を図りたいと考えました。

大岡山キャンパス内のネットワーク運用スタッフとしてエンジニアを常駐させていたこともあって、NTT東日本では、学術国際情報センターの無線LANシステム更改に関する要望を早期に把握。大学側で想定しているネットワーク構成に最適と判断した通信機器ベンダと連携して、大学側のニーズに応える無線LANシステムの導入を提案しました。そして価格面や提案内容などが評価された結果、システム更改の受注を果たしたのです。

「受注を果たしたのは2009年12月でしたが、サービス開始は翌年4月からの予定となっていました。4カ月に満たない非常にタイトなスケジュールの中で、機器調達から構築、検証にいたるまで、スムーズに進めることが求められました」(戸田)

NTT東日本 教育ICTイノベーションプロジェクト 戸田達也NTT東日本
教育ICTイノベーションプロジェクト
戸田達也

コントローラによる自動制御で常に最適な無線LAN環境を実現

今回の無線LANシステムでは、大岡山とすずかけ台の2つのキャンパスに、膨大な数のアクセスポイントを短期間で設置する必要がありました。そうしたアクセスポイント同士や、研究室で独自に設置しているアクセスポイントとの電波干渉も想定される中、通信品質を自動的に確保する仕組みの導入が不可欠でした。そこで、NTT東日本では、無線LANコントローラを用いてシステムにつながるアクセスポイントを自動制御する集中管理方式を提案。この方式では、コントローラが複数のアクセスポイントに対して使用するチャネルや電波強度など複数のパラメータを同時に制御、チャネルを自動変更して電波干渉を回避することで、無線クライアントに最適なワイヤレス環境をシステム側で自動的に実現します。

また実際の敷設工事に際しては、膨大な数のアクセスポイントを短期間で設置することが求められたことから、NTT東日本では、アクセスポイントの設置工事に先駆けて事前調査を実施。コントローラによる自動制御機能に加えて、電波がまんべんなく行き届き、十分な通信速度が得られるかどうかの詳細な検証を行い、通信品質の確保に努めました。さらに綿密な構築スケジュールを策定して、実際の作業を担当するベンダと連携を図り、効率よく敷設工事を実施していきました。

「樹木に枝葉が生い茂る季節にも電波が遮られないよう、また歴史ある建造物の多いキャンパスの景観を損なうことのないよう、特に屋外ではアクセスポイントの設置に苦労しました。講義や実験のために急遽、工事をストップせざるを得ない事態も多々発生しましたが、学術国際情報センター様の協力を得て、スムーズな構築を果たすことができました」(戸田)

IEEE 802.11nの通信規格ではアクセスポイントに複数のアンテナを要することから、その形状やデザインが複雑で目立ってしまい、キャンパスの景観を損ねかねないことも、今回の更改における大きな課題だったのです。そこでNTT東日本では、防塵効果が高く、シンプルな外観デザインでありながら十分な性能が得られる機種を選定。設置場所についても十分に配慮することで、歴史ある校舎も多い緑豊かなキャンパスの景観を損なうことなく、インターネットに手軽にアクセスできる環境の実現を図りました。

こうして、2009年12月に受注を果たした無線LANシステムの更改は、約3カ月の構築作業を経て、翌年3月末に作業を完了、2010年度の新学期から新たな無線LANシステムは稼働を開始しました。

約600個のアクセスポイントが稼働する先進の無線LANシステム

キャンパスのアクセスポイントを制御する無線LANスイッチ

キャンパスのアクセスポイントを制御する
無線LANスイッチ

今回、東京工業大学に導入された無線LANシステムは以下の通りです。アクセスポイントは、大岡山とすずかけ台の2つの広大なキャンパスに、合計585個(大岡山434個※予備機10台含む、すずかけ台151個)。それらアクセスポイントを制御するコントローラは、それぞれの規模に合わせて、大岡山に3台、すずかけ台に2台(両キャンパスとも1台はバックアップ用)。コントローラの集中管理機能により運用管理も自動化され、シンプルなネットワーク構成のもとで、大規模な無線LANシステムの安定稼働と運用コストの軽減が図られています。

さらに、以前のシステムでは、ログインの際にID/パスワードに加え「マトリクスコード」と呼ばれる認証コードの入力が必要でした。これは利用者にとって利用手続が煩雑で、管理者にとってはその独自仕様のため管理コストの増加につながっていました。それに対して今回は、強固な通信暗号化方式を採用し標準技術ベースの認証システムを構築した上で、ID/パスワードだけの入力で手軽にログインできるようにしました。これにより、利便性と管理性の両立を図ることができました。

アクセスポイント

アクセスポイント

また、理工学系大学の最高学府である東工大では、頻繁に学会や技術系のイベントが開催されており、来訪者に対してインターネット接続環境を提供することが必須でした。加えて、東工大では外部の無線LANプロバイダーと連携してその接続サービスを学内のアクセスポイントで実験的に提供していることもあり、潜在的な利用者数は一般的なキャンパス無線LANよりも遥かに多くなります。その点についても、今回のシステム更改において、高いユーザー収容能力を有し、より多くのアクセスポイントを設置できる仕組みを導入したことで、来訪者に手軽に無線LAN環境を提供できる環境を整備できました。

東工大では、更改した無線LAN環境のもと、今後も先進的・創造的な研究活動を支援する新たな情報システム導入を推進したい考えです。NTT東日本では引き続き、ネットワークの運用保守をはじめ東工大の情報基盤整備をあらゆる角度からサポート、優秀な人材を数多く輩出する東工大の研究・教育活動を積極的に支援していきます。

システム構成図

  • *1:WDM(Wavelength Division Multiplexing)装置とは、複数の波長の光信号を合波して1本の光ファイバーに挿入、あるいは1本の光ファイバーを伝播してきた複数の波長の光信号を各波長ごとに分波するための装置のこと。
  • *2:PoE(Power over Ethernet)スイッチとは、LANの配線に使うUTPケーブルを介してLANスイッチから電力の供給を受けるスイッチ。電源を取りにくい天井等に設置されることが多い無線LANのアクセス・ポイント等に利用される。
  • 文中記載の会社名および製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
  • 文中記載の組織名・所属・役職・サービス名などはすべて2010年7月15日時点のものです。

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