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株式会社HARP様

審査システムの共同利用に向けて北海道内92市町村のネットワークを構築。地方税徴収の電子化を強力にバックアップ

株式会社HARP様

導入の背景

個人住民税の「特別徴収制度」開始に伴い、自治体の財政難を考慮し安価なシステム運用を目指して、審査システムの共同利用に向けて北海道内の市町村のネットワーク化を実現

選定のポイント

  • 道内全域に情報ネットワークを整備できる実行力
  • 道内の通信インフラを長年にわたり支えてきた実績

期待される効果

  • 情報システムの市町村共同利用による低コストでの基盤整備
  • 情報ネットワークを活用することによる行政サービスの向上

北海道発、システム共同利用による
電子自治体を目指す「HARP構想」

2001年に掲げられた政府のe-Japan戦略のもと、日本各地で電子自治体の実現に向けたさまざまな取り組みが進められています。政令指定都市をはじめとした都市部においては、情報化による住民サービスの向上や行政運営の効率化が進む一方で、人口の少ない地域では情報化の遅れている自治体も少なくないなど、実際には自治体によって格差が生まれており、多くの市町村では、限られた予算の中で、電子自治体の実現に向けた対応に追われています。

そうした現状に対して、低コストで行政の情報化を図り、電子自治体の実現に貢献する有効な手段として、全国の自治体や中央省庁から注目を集めているのが、北海道が推進する共同アウトソーシング方式による取り組みです。

「北海道電子自治体プラットフォーム構想」(通称HARP構想)と名付けられたその取り組みは、道内の自治体が連携して電子自治体関連システムの共同化を行うことにより、「住民サービスの向上」「行政運営の効率化」「地域経済の活性化」を実現しようというものです。

このHARP構想を実現するべく、2004年には北海道庁と道内の市町村で構成する「北海道電子自治体共同運営協議会」(以下、協議会)が発足し、システム共同化を柱とした電子自治体実現を道内の自治体主導で協議・推進する場が設けられました。さらに協議会と両輪をなす事業体として、北海道庁および道内の社会インフラを担う通信・電力・金融・ガス会社等の出資による株式会社HARP(以下、HARP社)を設立。官民連携による第三セクターの事業体として、HARP構想の具現化を目指して事業開始しました。

システム共同化に向けた最初の取り組みとして、HARP社では協議会からの業務委託に基づいて、「北海道電子自治体共同システム」(共通基盤+電子申請)を開発し、2006年4月から電子申請の運用を開始、また共通基盤を活用したHARP社先行開発事業として、2007年2月から「電子調達」、同4月から「施設予約」のASPサービス提供を開始しています。

HARP構想の推進体制

個人住民税の電子申告・納税に向けた
審査システムの導入が必須に

次に道内の市町村(後のeLTAX共同利用参加団体)からの依頼を受けてHARP社が取り組んだのが、「個人住民税における公的年金からの特別徴収制度」導入に伴う、eLTAX審査システムの共同利用環境の構築でした。

「個人住民税における公的年金からの特別徴収制度」とは、平成20年度の税制改正に基づき個人住民税を公的年金から特別徴収(天引き)する制度のことです。公的年金受給者全体の2割強に当たる全国約650万人を対象とする制度で、その実施によって、これまで自治体や金融機関の窓口で年4回納税していた手間が省けるようになります。

特別徴収は2009年10月以降に支給される公的年金を対象にスタートします。それに伴い、全国の市町村においては、eLTAX(地方税の申告・納税・申請ができる全地方公共団体共通のポータルシステム)を経由して社会保険庁等から届く公的年金データと、自治体の有する個人住民税に関するデータを照合する「審査システム」を原則的に導入することが、求められました。

特別徴収制度が策定され、道内の市町村に対し審査システムの導入等についてアナウンスされたのが2008年7月。そして、翌2009年1月には年金からの特別徴収実施に向けたデータ交換が開始することから、市町村は短期間での対応が求められることとなりました。

「市町村が単独で審査システムを構築・運用するには、高額な調達費用が必要となります。そのため、審査システムを自ら構築するのは、人口の多い政令指定都市などに限られ、多くの市町村では民間事業者のASPサービスを利用して審査システムを導入することが想定されていました」(小川氏)

そうした状況に対し、北海道では、システムの共同化を求める声が各市町村から挙がっていたといいます。それを受けて道庁では、審査システムを各市町村で共同利用する環境を整備する方が、民間ASPサービスを利用するより一層の効率化が図れると想定し、協議会において審査システムの共同化を検討しました。その結果、92の市町村参加による共同化を実施することを決定し、92の参加市町村からHARP社に対して審査システムの共同利用環境の整備が委託されました。

その取り組みの中で、共同利用のための情報ネットワーク構築を担うこととなったのが、NTT東日本だったのです。北海道各地の92市町村とデータセンターとを結ぶネットワークとして、約3週間で既存のLGWANである「メガデータネッツ」から「ビジネスイーサ」への移行を完了させ、LGWANのアクセス回線を共有化するという、迅速さと正確さを要求される業務でした。

「今回の情報ネットワーク構築では、ハードウェア・ベンダや各市町村との調整を進めるとともに、各地の支店と連携し、地元の構築ベンダとの信頼関係のもと、柔軟かつ迅速な対応が求められました。LGWANの構築実績もあり、既存ネットワークの高度利用も含めて、北海道全域に及ぶ市町村を短期間でネットワーク化できるのは、NTT東日本しかなかったと考えています」(川崎)

「個人住民税における公的年金からの特別徴収制度」審査システムの概要「個人住民税における公的年金からの特別徴収制度」審査システムの概要

北海道内92市町村のIPアドレス設計を実施し
高信頼の広域イーサで迅速にネットワーク化

各市町村で審査システムを共同利用するには、データセンター内に設置した同システムに、情報ネットワークを介してアクセスする必要があります。そこでHARP社は、これまでにも北海道の各市町村への情報ネットワーク環境の整備を手がけてきたNTT東日本に対して、各市町村とデータセンターを結ぶ情報ネットワークの構築を依頼しました。

ネットワーク構築を手がけることになったNTT東日本北海道支店では、各市町村とデータセンターをセキュアに結ぶ情報ネットワークとして、安価で高速な通信環境を実現する高信頼の広域イーサネットサービス「ビジネスイーサ」を提案。北海道を4つのエリアに分けて、綿密なスケジュール管理のもと、各市町村への回線敷設を実施することとなりました。

「システム構築には、基本設計及び協議会との調整や全体のプロジェクト管理をHARP社が行い、システム構築の一部(ネットワーク、センター設備、市町村側ルーターなど)を行うNTT東日本との緊密な連携が求められました。そこで、短期間でのスムーズな構築を目指すべく、HARP社が実施した基本設計をもとにNTT東日本がネットワークの詳細設計や設定、データセンター設備調達、市町村側の各種工事などを担当し、周到な準備を進めつつ、万全な体制で臨みました」(橋本秀俊)

また、今までは、全道域でのIPアドレス管理が行われておりませんでしたが、今回、92団体の広域イーサによるネットワーク化及び共同利用型システム構築を契機に統一的なIPアドレス設計ができました。ネットワークを担当したNTT東日本としても将来にわたって長く使っていただけるネットワークの構築を目指しました。

「ネットワーク構築に当たっては、システムの負荷分散や冗長化とともに、運用管理用の回線を別に用意するなど、信頼性向上と運用の効率化につながる様々な工夫を施しました。実際の構築に充てられた時間は約3週間と極めて短期間でしたが、HARP社と緊密に連携しながら、高信頼の情報ネットワークを構築できたと思っています」(橋本文雄)

バック・オフィスの共同利用を通じて
電子自治体がいよいよ本格稼働へ

北海道内92の市町村をNTT東日本の「ビジネスイーサ」で結ぶ情報ネットワークは、2009年2月に敷設を完了、運用サーバに審査システムをインストールする作業などを経て、5月からはデータ交換が開始される予定です。そして10月からは、「個人住民税における公的年金からの特別徴収制度」が開始され、公的年金からの個人住民税特別徴収が始まることとなります。

NTT東日本ではシステム構築完了後も、ネットワークの品質維持管理業務や技術的な支援を通して、共同利用の拡大に寄与していきたいと考えています。

「今回の審査システムの共同利用の開始は、自治体業務における内部事務や基幹業務を手がけるバック・オフィス系のシステム共同化への、まさに第一歩。HARP構想における重要なステップです。複数自治体によるシステム共同化にいち早く取り組んできた北海道だからこそ、全国のモデルケースともなるような今回の取り組みが早期に実現できたといえるでしょう。共同利用の礎を担うネットワーク基盤の整備にNTT東日本が協力できたと思います。」(吉尾)

一方、HARP構想における基本的なシステム構築手法としては、SOA(Service-Oriented Architecture:サービス指向アーキテクチャ)が採用されており、必要な機能開発を小さな部品単位に分割して発注することで、中小の地域ITベンダが公共システムの構築に参画する機会を増やし、電子自治体の進展とともに地域経済の活性化にもつなげていこうというものです。このようにHARP構想は、電子自治体の早期実現による住民サービスの向上と行政運営の効率化に加え、地域のIT産業振興といった、3つの目標を持つものなのです。

道内自治体のシステム共同化を通じて、効率的かつ経済的に行政の電子化を推進する北海道庁及び北海道電子自治体共同運営協議会、そしてHARP社。そうした連携体制の中、NTT東日本では、情報ネットワーク構築などを通じてHARP社の取り組みを支援することで、HARP構想の具現化、北海道の電子自治体実現にこれからも貢献していきたいと考えています。

HARP構想の概要HARP構想の概要

NTT東日本北海道支店 法人営業部 ソリューション営業第一部門 SE担当 課長 川崎一友 システムサービス部門 SE第2担当 担当課長 橋本文雄 システムサービス部門 SE第2担当 担当主査 小川雅人 ソリューション営業第一部門 担当課長代理 橋本秀俊 ソリューション営業第一部門 担当課長 吉尾和芳NTT東日本北海道支店 法人営業部
ソリューション営業第一部門 SE担当 課長 川崎一友
システムサービス部門 SE第2担当 担当課長 橋本文雄
システムサービス部門 SE第2担当 担当主査 小川雅人
ソリューション営業第一部門 担当課長代理 橋本秀俊
ソリューション営業第一部門 担当課長 吉尾和芳

  • 文中記載の会社名および製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
  • 文中記載の組織名・所属・役職・サービス名などはすべて取材時点のものです。

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