校務システム導入により、校務や教材作成の効率化を図り、子どもと向き合う時間を増やすとともに、学力向上につなげたいと考えた。
下町の温もりある風情がそこここに感じられ、住民同士のつながりも強く、地域全体に見守られて子どもたちがいきいきと育つ、東京都葛飾区。区の教育委員会では、2008年に『葛飾区教育振興ビジョン(第2次)』を策定、「確かな学力の定着」を柱とした人間力育成を目標に掲げて、学校や家庭での学習習慣の確立に向けたさまざまな施策を展開してきました。
子どもたちの学力向上を図るためには、校務に追われがちな教員の負担を少しでも軽くして、子どもと向き合う時間を増やすこと、授業への関心を高める効果的な教材を活用することが不可欠です。区では、ICTの利活用にいち早く着目、1989年から4年間かけて全中学校にコンピュータルームを整備したのをはじめ、2008年度には全校に電子黒板(IWB:インタラクティブホワイトボード)用の大型モニターを導入したり、インターネットを授業に取り入れたりするなど、ICT環境の整備に努めてきました。
さらに、2010年1月に策定した「葛飾区学校ICT化推進計画」においては、子どもたちの学力向上とICTを使いこなす能力の育成を目指すとともに、教員が子どもと向き合う時間を確保できるよう、校務の効率化に向けたICT環境の整備に取り組むこととしています。
葛飾区は、「校務の効率化に向けたICT環境の整備」に関して、教職員が自分専用のパソコンで校務処理や教材作成を行えることが不可欠であると考えました。一方で、学校の現場では、教員が授業や教材作成などのためにインターネットを利用したり、成績管理や出欠管理などの校務処理のために私用のパソコンを学校に持ち込んだりするケースが増加しており、外部からの不正アクセスや個人情報の漏えいが危惧されるなど、教育現場における情報セキュリティーの確保が大きな課題となっていました。
区では、すべての小・中学校を対象に無線LAN環境と教職員用のパソコンの導入を計画していましたが、実施にあたっては、情報セキュリティーの確保には特に注意を払うことが必須であると考えました。そこで、シンクライアント端末で校務と教材作成の両方を行うことができ、成績などの個人情報はデータセンターに設置したサーバーで一元管理し、データの紛失や情報漏えいを防ぐ「葛飾区学校教育総合システム」を構築することとなりました。システムの構築ならびに運用を担うこととなったのが、これまで長年にわたり、葛飾区の教育のICT化を支援してきたNTT東日本でした。