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通信サービスと応急復旧のあゆみ

復旧の取り組み 分断された通信インフラを一刻も早く復旧させよ。

NTT東日本グループの通信設備は東日本大震災により、かつて経験したことのない大規模な被害を受けました。津波による通信設備の損壊や電柱の倒壊、通信ルート流失等に加え、大規模な停電により通信サービスの中断を余儀なくされました。しかし、「つなぎつづける」という使命のため、NTTグループ各社や通信建設会社等と一丸となって取り組み、ご利用いただけない状況であった約150万回線の通信サービスについて、家屋などの甚大な被害エリアを除き、2011年4月末までに加入電話・ISDN、5月6日にフレッツ光と、ほぼ全ての通信サービスの応急復旧が完了しました。※福島第一原子力発電所(以下、福島第一原発)の警戒区域の3ビルと宮城県の島しょ部の2ビルは9月までに機能回復。

通信設備の被害状況

東日本大震災では、通信設備は甚大な被害を受けました。通信ビルは16ビルが全壊、12ビルが浸水するなど、385ビルが機能停止となりました。これにより、約150万回線の通信サービスがご利用いただけない状況となりました。

東日本大震災における通信設備の被災規模

安否確認のための通信手段

東日本大震災発生直後、全国から被災地への通話量は約8~9倍に増加したことから、通話量の制御および分散などの措置を講じ、重要通信の確保を行いました。災害用伝言ダイヤル(171)および災害用伝言板(web171)は東日本大震災発生直後から開始し、2011年8月29日の運用終了までの利用数は災害用伝言ダイヤル(171)が約348万件、災害用伝言板(web171)が約33万件。これは2004年10月23日の新潟県中越地震時の約10倍の利用数でした。

安否確認のための通信手段。災害用伝言ダイヤル(171)と災害用伝言板(web171)電話で 171 災害用伝言ダイヤル インターネットで web171 災害用伝言板

また、公共交通機関が停止し、首都圏で約515万人の帰宅困難者が発生したことから、帰宅困難者の通信確保のため、NTTグループとして初めて公衆電話約12.2万台の無料開放を行いました。また、被災地で社員が独自ではじめた“伝言お預かり活動”が各地に広がり、電話が使えない方から伝言をお預かりして、親戚などの相手先に無事を伝えました。当時、岩手支店と宮城支店で2,700件以上の伝言をお預かりして声をつなぎました。

応急復旧の取り組み

東日本大震災被災直後より災害対策本部を立ち上げ、まずは1日でも早く通信サービスを回復させるための応急復旧にNTT東日本グループならびにNTTグループ総力を挙げて取り組みました。通信設備の復旧方法については、被災の状況や自治体などの要望、復旧後の需要見込み、復旧用資材の確保などの観点から検討しました。

被害状況が報告される本社災害対策本部(東京)

情報収集に奔走する岩手支店災害対策本部(岩手)

通信設備の復旧方法と復旧内容(2011年4月末)

復旧に携わった人員数(※ピーク時の人数)

  • ◎災害復旧体制 6,500名
  • 被災地対応(広域支援) 4,400名
  • 後方支援(災害対策本部) 2,100名

災害対策機器(※ピーク時の台数)

  • ◎ポータブル衛星(小型衛星通信地球局) 39台
  • ◎衛星携帯電話 218台
  • ◎移動電源車(通信電源用移動発電装置) 101台

(2011年4月末時点)

NTTグループ会社等による広域支援の展開

被災エリアの中でも、通信ビルの流失や損壊の著しい場合には、早期復旧のため、トレーラーに搭載可能な非常用可搬型加入者線収容装置を使用。全国から30個集め臨時で設置しました。また長期間の広域停電により、蓄電池の電力枯渇や非常用電源設備の故障が発生した通信ビルには、商用電源が復旧するまでの間、移動電源車とともに燃料を搭載したタンクローリーを配備。限られた台数を効率的に利用するように燃料オペレーション計画により、電源確保に努めました。

石巻門脇ビルでの移動電源車とタンクローリー

他のエリアで使用予定であった非常用可搬型加入者線収容装置を転用して設置

被災の状況によって、障害物などで電力室に立ち入れない場合は、現場の判断により壁を撤去し、発電設備を新設するなどの対応も行いました。津波により橋梁ごと通信ルートが流失したケースでは、ルートを迂回し、河川越しにケーブルを敷設することで通信ルートを復旧したり、光ケーブルの敷設の際に電柱がない場合には、電柱の代わりに立木を利用したりするなど、現場の状況に応じた様々な復旧方法を用いました。

橋梁とともに流失した中継系の通信ケーブルと被災した通信設備

福島第一原発での事故発生により、政府は福島第一原発から半径約30km圏内を規制エリアに指定。それに伴い、福島支店では半径約40km圏内での復旧作業を停止しました。福島第一原発から約10kmにある磐城富岡ビルは停電により電源が枯渇し、その後給電作業も出来ないまま機能停止していました。同ビルは、福島第一原発から半径20~30kmをカバーする5つの通信ビルの親ビルであり、また携帯電話用の回線も収容していたため、ビル機能の復旧を政府、自治体、福島第一原発関係者などから要請されていました。こうした要請に応え、4月13日、同ビルの復旧作業を実施し、機能停止していた親ビルである磐城富岡ビルを含めた6ビルを回復させました。

磐城富岡ビルの復旧に向かうNTT東日本の社員

応急復旧に当たっては、広域支援態勢を組み、NTT東日本グループに加え、NTT西日本をはじめとするNTTグループ各社や通信建設会社からの支援を受け、ピーク時約6,500人体制により復旧作業に取り組みました。主な支援内容は「移動電源車の運用」、「ポータブル衛星の運用」、「アクセス系点検・保守」、「宅内故障修理」などでした。

被災現場に駆け付けた神奈川支店のバイク隊と熊本支店の車両

避難所などにおける通信手段の確保

避難所などにおいて、被災者の方々の安否情報、被災情報などの情報収集を支援するため、災害時用公衆電話(特設公衆電話)の設置や、複数企業の協力でインターネット接続コーナーを設置し、無料で提供。災害時用公衆電話は、延べ1,202カ所に3,930回線設置し、通信回線の開通が困難な地域でもポータブル衛星などを活用することで設置を可能としました。また、インターネット接続コーナーは450カ所に設置し、公衆無線LANサービス“フレッツ・スポット”は203アクセスポイントを無料開放しました。
また、避難所での避難生活の中で、健康面、精神面をケアするため、避難所と首都圏拠点の医師・保健師とをフレッツ光でつなぎ、テレビ電話端末“ひかりフレッツフォン”による健康相談を実施しました。

東日本大震災発生時の災害時用公衆電話およびインターネット接続コーナーの設置数(2011年3月11日~11月9日まで)

無料で開放されたインターネット接続コーナー

避難所からでも医師や保健師とのコミュニケーションが可能に