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変化するニーズ

伝えていくこと“あの日の記憶” 期待の声に正しく耳を傾ける。 (当時) NTT東日本-岩手 釜石サービスセンタ 中 源一

彼は大丈夫か!すぐに連絡しろ!

あの日の午後は故障修理の予定が1件だけあり、地震の3時間くらい前に、若手社員がお客さまのもとへと向かいました。大きな揺れが来た瞬間に、沿岸部のお客さまのところに行ったその社員のことが気になり、他の社員に連絡を取るよう指示を出しました。幸いにも修理に出ていた社員は高台にいることが確認出来て、戻って来なくていいからと伝え、皆でほっと胸をなで下ろしたのも束の間、テレビから流れる想像を超えた津波の映像を見て、社員の家族の安否確認のため、2班に分かれて、無理をしないように社員の自宅を見にいくことに決めました。NTT東日本の局舎には、ご家族や知り合いの安否確認のために多くのお客さまが災害時用公衆電話(特設公衆電話)を求めて集まっていましたので、残った3人の社員とその対応に当たりました。

災害時用公衆電話が通信をつなぐ

NTT東日本の局舎内に仮設された釜石市鵜住居児童館の子どもたちを見守る中社員

生まれ育った街が消えた

翌日、現場の様子を見に行く途中で自分が生まれ育った地域に立ち寄りました。約240世帯あった家の、ほとんどが流失しており、命からがら避難した人たちが高台の広場で暖をとっていました。18歳まで育った場所に、もう何もなく、無力さにただ茫然としながらも、自分に何が出来るだろうと考えました。自分はNTT東日本で働いてきたのだから情報を“つなぐ”ことで貢献するしかないと思い、まずは、水を求めている人たちがいる場所を自衛隊の方に伝えました。その時出来る精一杯の“つなぐ”でした。私たちは幼少期から、地震が来たら高台に逃げる訓練を受けて育っていましたので、どうしてそこでたくさんの人が亡くなってしまったのかが悔やんでも悔やみきれません。今後もずっとつないでいかなければならないのは、昔から語り継がれてきた“地震=津波”の教訓だと思っています。

時間とともに変化する声を聴く

あの時、とにかく目の前で起きていることに対応して、最前線でお客さまのご要望にお応えすることしか出来ませんでしたが、通信に対するお客さまの期待にはいくつかの“変曲点”があったことも同時に感じました。最初は、とにかく安否確認をしたいというご要望。次は、自宅からの通信がいつ復旧するかというお問い合わせ。そのためにはケーブルを分断している瓦礫の撤去なども行う必要がありました。そして、ある程度落ち着き始めると今度は早く“ふつう”の状態に復旧させるための作業へと移行していきます。東日本大震災を体験して、通信についてあらためて考えてみますと、形あるものは壊れないということはない訳ですから、強い通信とは、壊れない通信ということではなく、災害によって万が一壊れてしまった時の復旧の早さを指すのではないでしょうか。また、1秒でも早い復旧に必要なのは、現場を熟知した人とのスムーズな情報共有、そして、次々に来る変曲点を大局的にとらえてリーダーシップを発揮出来る人材の育成が重要だと思います。現場で得たこれらの貴重な教訓がNTT東日本の中で受け継がれていくことが大切だと思います。